【予想時刻T=0: 2025/10/04 09:00】
まとめ
日本海を低気圧が進む。中アでは前日までの降雨による湿った空気が居座り、下層も中層も雲が発生し続けると考えられる。大山の周辺では弱い前線があると考えられる。ただし、この前線の背は低く、また、朝9時の時点では大山はその前線の北側に位置するため、回復傾向であると考えられる。下層と場合によっては稜線では雲やガスに覆われたままの可能性はあるが、上空は晴れるものと考えられる。
地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:日本海を低気圧が進む。オホーツク海高気圧と考えられる高気圧が東に抜ける。
考察:オホーツク海高気圧の縁を回って低気圧に向かって湿った空気が吹き込み、前日より広い範囲で降水をもたらしている。特に太平洋沿岸で雲の発生しやすい状況。大山では低気圧の後面に入ることで、前日夜より海側で雲(霧)がちの天気と考えられる。
500 hPa(等高度線・渦度)

状況:目立ったトラフやリッジは確認できない。中アは亜熱帯ジェットの強風軸の直下にある。
考察:雲がかかる地域でも、発達の見込みは小さく、荒れた天気にはならずに霧のような状況となることが想像される。中アでは上層雲が確認できる。
850 hPa(等相当温位線・風)

状況:本州にあっては、オホーツク海高気圧の後面と、低気圧に吹き込む風による、南寄りの風が卓越する。ただし、低気圧の勢力が強くなく、中アでは5-10 KTの南南西風、大山では10 KT前後の西風となっている。
考察:中アでは伊勢湾方面から湿った空気が流れ込む風向であるため、中ア北部ほど晴れ間が見えるチャンスが大きい。しかし、330 Kの等相当温位線の動向を見ると、中ア周辺は前日よりも湿った空気に覆われる予想となっているため、少なくとも下層では雲の多い天気と考えられる。大山では弱いながらも前線の様子(赤帯:等相当温位線が密になっている)を示している。その前線は次第に抜けていく様子だが朝の内は雲が多く残るだろう。
850 hPa(等温線)

状況:15℃の等温線の分布を見ると、東北の日本海沖の低気圧(Wの付近)に向かって暖かい空気が流れ込む様子が確認できる(北に凸となっている)。補間するように、16℃と17℃の等温線を描画している。
考察:大山の周辺では、16℃線の北側で北よりの風、南側で西寄りの風となっており、風向が変わる。大山の北側では等温線をまたぐように風が吹くことから、前述の相当温位分布と照らし合わせても、この付近に弱いながら前線があると考えられる。中アでは等温線、等相当温位線ともに、その走向に平行に近い風向で風が吹くため、前線位相による雲の発達は乏しいと考えられる。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

状況:東北や近畿、北陸、九州は湿数3℃以下の湿潤域と予想されているが、それ以外の地域でも湿数は6℃と以前小さい。大山などの中国地方のみ、急激に湿数が大きくなり、乾燥域へと移行している。
考察:中アでは稜線付近でも湿った空気が残り、ガスに覆われた状況が続きそう。大山では、前述の前線の背は低く、上空は晴れた様子と思われる。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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