【予想時刻T=0: 2025/03/02 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:停滞前線が西日本に伸びる。朝鮮半島を中心に等圧線の間隔が狭い。前線の南北で広く降水が予想されている。矢羽根から、前線の南では南西よりの風、北では北東よりの風が卓越していることがわかる。
考察:大陸の高気圧と太平洋高気圧がそれぞれ張り出し、その間で空気の収束が起こっていると考えられる(=停滞前線)。
朝9時の予想:中ア、谷川ともに雪であるが、中アでは風が強まる(500 hPa参照)。
500 hPa(等高度線・渦度)

状況:亜熱帯ジェットが北に凸となり、かつ、強風軸が北上している。寒帯前線ジェットは南下しており、二つのジェットの間隔が狭くなっている。
考察:ではなぜ、突如停滞前線が現れたのだろうか。これは、ジェットの蛇行の兼ね合いにある。天気図で確認したように、亜熱帯ジェットは北へ、寒帯前線ジェットは南へ進路を取り、温かい空気は北へ、冷たい空気は南へ、それぞれ流れ込んでいる。今年はラニーニャに近いこともあり、西太平洋の海水も平年より高くなることから、早い時期でも勢力を強めやすくなったか(もちろん周期的なものもあるだろう)。
850 hPa(等相当温位線・風)

状況:西日本で等相当温位線の間隔が非常に狭くなっている。前線付近は風向のシアとなっていて、北側では北東よりの風、南側では南西よりの風となっている。中アでは南西の風5 KT、谷川では北西の風20 KTとなっている。
考察:等相当温位線の間隔が狭くなっている、北緯33-37度の付近は停滞前線に伴う雲域に覆われるだろう。特に前線の北側では南の温かい空気が北の冷たい空気の上を登っていくと考えられる。中アの下部では風向は不確実だが、稜線では偏西風に依存して西風となろう。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

状況:停滞前線と寒冷前線に沿って上昇流域が確認できる。気温は、中アで3℃、谷川で0℃。
考察:特に中ア付近では強い上昇流が発生する(-101 hPa/H=1時間で約1000m分上昇するだけの力)。理由は、前線の中で最も風が強いエリアで、急速に空気が集まって上昇するためと考えられる。中アでは標高1500 mより上部は雪だろう。谷川は、標高1000 m程度より上部で雪だろう。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

状況:前線に沿って湿潤域が確認できる。気温は、中アで-14℃、谷川で-15℃。
考察:この湿潤域が前線に伴う雲に対応すると言える。前線の北側でより広く雲が広がっている。これは850 hPaで先述した通り北に向かって暖かい空気が滑翔していくためである。気温減率は大きくなく、空気の収束が主な上昇要因と言える。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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