2024/11/24 09:00の予想天気図:中ア・那須

日々の天気図解析

【予想時刻T=0:2024/11/22 09:00】

地上(等圧線・前12時間降水量)

西高東低の気圧配置で、特に日本海沿岸は風が強まる。寒帯前線ジェットも九州まで南下しており、中部山岳の稜線では西風が卓越する。高気圧に覆われるものの、中アと那須では気象状況が全く異なる予想。9時の時点では、中アでは晴れだが那須では暴風雪の予想。昨年10月に起きた那須周辺の遭難と近い状況と考えられる。詳しく見ていこう。

500 hPa(等高度線・渦度)

寒帯前線ジェットは九州まで南下する。中アは、その南系と北系の間にあって、強風帯には重ならない見込み。そのため、稜線に上がっても風が強まらない見込み。ただし前日夜から晴れて放射冷却のため寒いだろう。那須では下層で風が強まる予想である。次で見ていこう。

850 hPa(等相当温位線・風)

オホーツク海へ抜けた低気圧によって285 K以下の寒冷乾燥空気がもたらされている。また、西高東低の気圧配置であることから、東北北部から北海道の日本海側にかけて風が強く (~20 m/s)、降雪を伴うと考えられる。さて、中アでは風は弱く (~5 KT = 2.5 m/s)、また北よりの風である。このとき、北アの背後になることから湿った空気が入ることもほとんどなく、晴れる。しかし那須では、北西~北北西の20 ~ 25 KT (= 10 ~ 12.5 m/s) の風が吹く。那須の北西方向はちょうど越後山脈と飯豊山脈の間で、日本海からの風が通り抜ける方角である。それらの空気が那須で上昇して雪を降らせるため、暴風雪となる。昨年10月の遭難も似たような状況であった。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

那須の周辺で一部上昇流域が確認できるが、全国的には下降流域である。北日本の日本海側でも、ほとんどの雪雲は大気下層で留まる背の低い雲と考えられる。尚、平地で雪となる目安の-6℃線は東北北部まで南下していることから、北日本の日本海沿岸地域では平地でも雪と考えられる。気温は、中アで-1℃、那須で-4℃。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

Screenshot

日本列島では湿潤域は確認できない。オホーツク海に抜けた低気圧では赤矢印で示したようなドライスロット(低気圧の中心に乾燥した空気が流れ込む:低気圧の衰退期の特徴的な状態)が確認できる。気温は、中アで-23℃、那須で-24℃。Windyより850 hPaの高度を、500 hPa天気図から500 hPaの高度を取得して気温減率を計算すると、中アでは (-1+23) / (5600-1530) = 0.54℃ /100 m、那須では (-4+24) / 0.49 ℃ /100 mとなる。中アでは条件付き不安定の判定であるため、例えば継続的に風が吹いて空気が斜面で持ち上げられるようなことがあれば、雲がところどころ発生するだろう。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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