300hPa予想天気図(FUPA302)

高層天気図の読み方

今回は300 hPaの予想天気図の読み方を解説します。

300 hPaの高度と天気図としての役割

300 hPaは高度約9600 mになります。ここでは大気高層のジェットを解析します。ジェットを解析すると天気のおおまかな傾向を知ることができます。

天気図に描かれる情報

今回は例として2022/12/31 21:00に発表された24時間後の予想天気図、つまり2023/01/01 21:00の予想を見ていきます。ここで描かれる情報は2つです。

・実線:等高度線

・破線:等風速線

他の気圧面と比べて広い範囲(東アジア~太平洋西部)を解析対象としています。実線の等高度線は見やすいかと思います。ただ、破線の等風速線は見づらいので、色付けをしています。ここでは、80 KT以上:緑、120 KT以上:青、160 KT以上:赤になっています。

主な解析事項

ジェットの300 hPa軸の解析

等風速線の分布からジェットの軸を推定します。日本付近では亜熱帯ジェットと寒帯前線ジェットの2本が吹いています。冬季は寒帯前線ジェットが日本付近まで南下してきますが夏季は北にいます。等風速線の分布から最も風の強いところをつないでいくと、ジェットが現れます。寒帯前線ジェットは大きく蛇行していることがわかります。この蛇行によって暖気と寒気の交換が行われるのです。

トラフとリッジ

ジェットの軸と等高度線からトラフとリッジの位置を推定します。トラフは、等高度線が南に凸になり、曲率が付近で最も大きいところ、リッジは逆に等高度線が北に凸になって曲率が最も大きいところになります。図では関連する等高度線を赤色で上書きしています。この時刻の予想では、サハリン付近に300 hPaの低気圧中心があり、そこからトラフが伸びています。トラフが接近すると天気の傾向は悪くなると言われています。そのため、1/1にかけて特に北日本では天気は下り坂の傾向にあると予想できます。

トラフ・リッジと天気の関係はこちらから。

トラフ・リッジ | ワンゲラーの天気図解析 (jediweatheranalysis.com)

まとめ

300 hPa天気図ではトラフとリッジの解析が重要になります。これらは天気の概況を説明するものになるため、必要不可欠な情報です。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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