【予想時刻T=0: 2025/07/12 09:00】
総括
2つの熱帯低気圧の間の弱い高圧部に覆われる。中アでは晴れる見込み。石鎚では、南から湿った空気がもたらされ、特に南面では雲が発達する。稜線を超えると大部分は消失すると考えられるが、一部は中層雲として残るだろう。
地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:東シナ海と太平洋を熱帯低気圧が北上する。本州はその間で弱く高圧部になる。
考察:中アでは晴れる見込み。石鎚では南風が吹き、熱帯低気圧により湿った空気を太平洋から供給され、南面ほど雲が多い。
500 hPa(等高度線・渦度)

状況:2つの熱帯低気圧の間が高圧部になっている。
考察:どちらの山域でも上層の雲は現れづらいと考えられる。
850 hPa(等相当温位線・風)

状況:石鎚では、345K以上の温かく湿った空気が、20KT近い南東から南南東の風に乗って流れ込んでくる。中ア付近では卓越風向はない様子。
考察:石鎚ではこの湿った空気の流れ込みにより、南面で雲が発達する。これは東シナ海の熱帯低気圧に伴って太平洋からもたらされた湿った空気である。青で示した領域は315K以下の領域で、比較的乾燥している。余談にはなるが北海道の東の低気圧ではこの領域を巻き込み、ドライスロットを形成している。
850 hPa(等温線)

状況:中アでは17℃、石鎚では18℃の予想。日本海北部には等温線が北に凸となっている領域がある。
考察:等温線が北に凸となっているところでは温かい空気が北へ供給される。これは地上の気圧の谷に対応する。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

状況:四国や九州は湿数3℃以下の湿潤域に覆われ、東日本は湿数30℃以上の乾燥した空気に覆われる。
考察:中アでは上層の雲は考えにくい。石鎚でも、南からもたらされた湿った空気が素の雲以外では、発生は乏しいと考えられる。稜線を超えると一部は残るか。気温はどちらも-3℃以上で、雷の恐れは低い。余談になるが、850hPaで見た等温線が北に凸となる領域の上空では-6℃以下の空気があって、鉛直方向の気温差が非常に大きくなるため雷雨となる可能性が高い。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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