【予想時刻T=0: 2022/06/13 09:00】
総括
日本海に低気圧が進み、それに伴って停滞前線が発生する。低気圧に向かって湿った空気が流れ込み、中アや秩父では南西風が卓越する。両山域、南西風は海から空気が入りやすい方角であり、前日から引き続き雨予報である。雲は大気中層まで成長する見込み。
地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:低気圧が日本海を進み、一部前線が形成される。中部では12時間降水量が最大80 mmとなっている。
考察:日本海の低気圧に向かって湿った空気が流れ込み、広い範囲で降水が予想されている。等圧線の走向は南西から北東向きで、広く、南西の風が卓越する。中アでは伊勢湾から、秩父では駿河湾や遠州灘の方角から風が吹き、海上の湿った空気が流れ込みやすい環境である。
500 hPa(等高度線・渦度)

状況:亜熱帯ジェットはやや北に凸となっている。
考察:北に凸になっていることで大気中層でも暖気が流れ込みやすい状況と言える。特に中アでは大気上層の雲も現れる。
850 hPa(等相当温位線・風)

状況:345 K以上の温暖湿潤空気が東シナ海から西日本に流れ込む様子がよくわかる。温暖湿潤空気は低気圧に向かっている。中アでは南西の15KTの風、秩父では南南西の10KTの風の予想。
考察:中アも秩父も湿った空気が南西方向から流れ込む。この傾向は前日からの継続で、引き続き雨が降る予想である。低気圧の中心付近は、停滞前線がやや北に凸となり、そこでは湿った空気が収束して強雨になりやすい。
850 hPa(等温線)

状況:18℃の等温線は西日本の南北で北東に張り出す様子である。中アや秩父では17℃の予想。
考察:18℃の等温線の張り出しは前日21時からみられていた。海上でより早く温かい空気が運ばれているものと想像する。(前項の風分布からも風向が広く一定方向であるため、遠くまで運ばれると考えられる)
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

状況:850 hPaで見た345K以上のエリアよりも、東日本側で湿潤域がエリアが確認される。
考察:その理由として2つ考えられる。1つは、前線のキンク(北に凸の部分)が東北の日本海沿岸にあること。ここでは空気が収束しやすく、雲も上へ成長しやすい。2つ目は、東日本ほど、等温線をまたぐように風が吹くこと(850 hPa参照)である。西日本は湿った空気が入るが、等温線と平行に風が吹くため前線位相が起こりづらいが、東北ではその逆になっている。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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