2025/04/12 09:00の予想天気図:中ア・九重

日々の天気図解析

【予想時刻T=0: 2025/04/10 09:00】

総括

寒帯前線ジェットが大きく蛇行することで寒冷低気圧が形成され、その前面にあたる日本では南西風が強まり湿った空気が広く供給されている。中アでは全層で雲の発生が予想でき、稜線では暴風雪になると考えられる。九重では9時の時点では前線が通過しており、晴れ間が広がり始める頃と考えられる。ただし、南方でわずかに中層の雲が残る可能性がある。

地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:黄海に前線を持たない低気圧が、九州を前線を伴った低気圧が東進する。黄海から南西諸島にかけて広く降水域が確認できる。

考察:中アでは前線や低気圧からはまだ遠く離れているものの、降水域と予想され、南西からの湿った空気の流入が考えられる。これは、低気圧の前面に南寄りの風と合わせて、南東沖の高気圧の循環によるところもある。

500 hPa(等高度線・渦度)

状況:寒帯前線ジェットが大きく蛇行し、黄海に寒冷低気圧が確認できる。日本列島では等高度線は北に凸となっている。

考察:日本列島では南西風に伴って比較的暖かい空気が流入しやすい状態となっており、中層以上でも雲が発達すると考えられる。

850 hPa(等相当温位線・風)

状況:中アでは20 KTの南風が予想されていて、風向は等相当温位線と概ね平行である。九重の東では等相当温位線の集中帯があって、風向は垂直である、水蒸気前線が確認できる。

考察:中アでは南風により、太平洋から湿った空気が流入する。局所的な水蒸気前線は確認できない。九重は既に通過後で、乾燥した空気が入っている。東シナ海から湿った空気が入っても、空気が乾燥しているため雲となりにくい。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

状況:本州で等温線が入り組む。地上の降水域に沿って上昇流域も確認できる。

考察:九州の前線は、地上→850 hPa→500 hPaと前線の軸が西に傾いており、上層まで発達しやすい状態である。九重では等温線の集中帯の北側にあって、冷たい空気と覆われる。後述のように下層も中層も寒冷乾燥空気が入り、安定する。本州付近では局所的な温度前線が形成される。温度勾配をまたぐように風が吹くためである。中アでは局所的な寒冷前線が予想できることから、下層から雲が発達すると考えられる。もちろん、斜面上昇も寄与するだろう。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

Screenshot

状況:湿潤域は地上降水域とほぼ重なる。気温は、中ア・九重ともに-9℃。

考察:中アでは700 hPaで空気が湿っており、下層で発達した雲は引き続き上空まで成長し、雨や雪をもたらす。等温線に沿って局所的な温度の前線が認められるが、これは前日から認められるもので、下層の雲の発達に先行して現れている。9時の時点では合わさって全層に雲が確認できる状態となるだろう。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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