【予想時刻T=0: 2025/01/31 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
状況:南岸低気圧が通過中。日本列島付近では等圧線の間隔は広い。南岸低気圧の北側に広く降水域が広がっている。
考察:中アでは雪の模様。那須は気圧の尾根にあって、晴れる予想。
500 hPa(等高度線・渦度)
状況:亜熱帯ジェットも寒帯前線ジェットも共に緯度線と平行で、総観規模の温冷交換は活発でない。中部周辺は正渦度域(上昇流)である。
考察:地上の南岸低気圧に対応するトラフが確認できない(=発達に寄与する上空の寒気が流れ込みにくい)ことから、低気圧自体の発達は緩やかと考えられる。中アの上空では700 hPaの湿数と上昇流域の分布と合わせて大気中上層の雲が発生しやすい環境が整っている。
850 hPa(等相当温位線・風)
状況:この初期時刻での予想段階では、285 Kの等相当温位線は関東南部まで到達していない。北陸~関東~関東の東方沖にかけて風向のシア(緑線)が確認できる。緑線の北側では北~西風、南側では東~南風となっている。那須では5 KTの西北西の風、中アでも5 KTの西北西の風である。
考察:十分な寒気が関東南部まで下りていないことから、関東南部では雪にはならない予想。風向のシアでは空気が収束するため、その上空で雲は発生しやすい。そのため中アでは大気下層から雲が確認できると予想している。那須で最も天気が崩れやすい風向は北西~北北西であるが、西よりのときは大きくは崩れない。地上天気図で見ても高圧部にあることから、雲も少ないと考えられるだろう。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
状況:東日本は広く上昇流域に覆われる。気温は、中アで-2℃、那須で-6℃。
考察:9時の時点で平地で積雪の目安となる-6℃の等温線は東北南部まで南下している。そのため朝の時点では関東南部の降雪はないと考えられる。中アでは下層で雲が発生し、上昇流にのって引き続き発達していくと考えられる。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
状況:湿潤域は南岸低気圧の北側と、南西へ伸びる低気圧を含む広い範囲で確認できる。9時の予想では中アはその範囲内にあって、那須は外れている。気温は、中アで-24℃、那須で-27℃である。
考察:東日本を覆う湿潤域は、南岸低気圧の北側の雲域だけでなく、850 hPaで確認した風向のシアにより発生する雲域も捉えていると考えられる。那須はその外側にあることからも、那須では雲は少なく、晴れの可能性もあると言える。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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