【予想時刻T=0: 2024/11/01 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
11月3日は晴れの特異日と言われている。統計的にこの日は晴天率が高いようだ。実際に今年も晴れとなる地域が多そうである。台風21号は温帯低気圧に変わり、前線を伴いながら太平洋へ抜ける。中アでは、前日までの雨で空気が湿っているため、9時の時点では低いところで霧が残る可能性があるが、上部は晴れ。九重では低気圧の通過後風向は北東に変わり、9時の時点で晴れが予想される。
500 hPa(等高度線・渦度)
元台風21号は亜熱帯ジェットに運ばれるように、また、太平洋高気圧の縁に沿うように東進している。中アも九重も正渦度域(上昇流)となるものの、次項以降で見るように大気は乾燥しているため、影響は小さいと考えられる。朝鮮半島には浅いリッジが確認でき、地上高気圧はこれに対応するものと言える。すぐに気圧のトラフが接近するため、晴れの期間は長くない?
850 hPa(等相当温位線・風)
台風ないし寒冷前線が通過したことで、日本列島の空気は急激に寒冷かつ乾燥した空気に覆われる。例えば九重では(図はないが)前日21時の時点での相当温位が約330 Kであったのに対して9時の時点では315 Kとなっている。850 & 700 hPa天気図(21時の図はない)で気温の変化を見ると1-2℃ で、相当温位の変化のほとんどが空気の水蒸気量の変化によるものと言える (=急激に乾燥している)。その九重では25 KT (=12.5 m/s) の北東風の予想である。この風向のとき、雲は発生しにくい。中アでは10 KT (=5 m/s) の北東風で、湿った空気は入りづらいことから、朝の霧が取れれば9時の時点でも晴れるだろう。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
等温線の分布を見ると、気温のトラフとリッジが交互に出現することが確認できる。地上天気図を見返すと、これらトラフとリッジの間にそれぞれ高気圧と低気圧が位置する。それぞれがもたらす風によって暖気が北に運ばれたり寒気が南に運ばれたりしているのだろう。また、赤丸で囲んだ上昇流の極大域は寒冷前線と対応していて、その並びからも確認できる。中アでは9℃、九重では12℃の予想。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
九重での湿数の変化を記述すると、前日21時には6-9 ℃、9時の予想では24-30 ℃である。このように、急激に空気が乾燥していることが分かる。500 hPaにおける気温のトラフは東経115°付近にある。日本列島付近では暖かい空気から寒冷な空気に移り変わろうかというところである。850 hPaでは既に冷たい空気が入っていることから、大気下層では冷えた空気、大気中層では暖かい空気がある状態で、空気の成層としては安定側に働く。気温は、中アでは-9℃、九重では-8℃の予想。Windyより850 hPaの高度と、500 hPa天気図から500 hPaの高度を取得し気温減率を計算すると、中アでは0.43 ℃ /100 m、九重では0.47 ℃ / 100 mである。たしかに安定側に働いていると言えそうだ。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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