2024/09/29 09:00の予想天気図:南ア・飯豊

日々の天気図解析

【予想時刻T=0: 2024/09/28 09:00】

地上(等圧線・前12時間降水量)

日本海の高気圧と太平洋高気圧の間で停滞前線が形成され、その周辺では降雨が予想されている。日本海の高気圧の循環のため、東の本ではオホーツク海方面から風が吹くような形となる。9時の時点で、南アでは東からの湿った空気の影響で下層雲~中層雲が広がり、後述するように高層の雲も見られるだろう。飯豊ではより高気圧の中心に近く、南アほど下層雲の発生は見られないと考えられるが、高層雲は同様に発生するだろう。

500 hPa(等高度線・渦度)

太平洋高気圧と、大陸の高気圧(シベリア高気圧に起因するもの?)が拮抗し、秋雨前線形成の要因となっている。両高気圧の間は正渦度域(上昇流域)となっており、雲が発生しやすい環境である。そのため、南アでも飯豊でも高層の雲が確認できると予想している。

850 hPa(等相当温位線・風)

太平洋高気圧の南西よりの風と、日本海の高気圧の北東よりの風が本州の南でぶつかり合い、前線を形成している。日本列島は前線の北側にあるが、南アでは東よりの風が吹き、湿った空気が流れ込む。ただし、強い風ではない (~5 KT) ため斜面の上昇は弱く、雲海のように広がる雲が確認できる考えられる。飯豊では南よりの風が予想されている。太平洋から空気は入りづらく、下層雲も多くないだろう。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

停滞前線の周りと、南の海を北上する台風の周辺を除いては、目立った上昇流はない。後述の湿数と合わせて大気中層の雲の予想を議論する。気温は、南アで14℃、飯豊では12℃の予想。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

南アは、湿潤域と判断する湿数が3℃以下の領域には含まれていないものの、湿数は6℃以下と湿潤域に近い状態で雲ができやすく前述の上昇流域と重ねると大気中層でも雲が発生し得る状況である。飯豊は湿数は12℃前後と高く、大気中層の雲は少ないと予想できる。気温は、南アで-8℃、飯豊で-9℃。850 hPaと500 hPa間の高度差を4000 mと仮定すると気温減率は南アでは0.55 ℃/100 mとなり、地形による上昇など、外部から力が加われば雲が成長する可能性がある。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

予想への意見・反論・質問はぜひこちらから!

  1. jz.3879 より:

    天気図から雲の発生について細かく予想されており、とても参考になりました!
    あえて一つ質問させていただきますと、「正渦度域=上昇流域というのはどの程度成り立つのか?」という点についてです。
    一例として、正渦度域でありながら、負渦度移流がある場合など、成り立たない事も多々あるのではないかと考えています。

    • Jedi_uma より:

      コメントありがとうございます!
      非常に刺さる質問ですね(笑)
      私の場合は12時間前の天気図を見て考えています。ある地点の渦度を見て、予想時刻もその12時間前も正渦度として計算されていれば、継続的に500 hPa面で上昇流があっただろう、と仮定しています。ただ、時間解像度が12時間であるためその間の12時間の現象は追えないので、あくまで仮定です。ブログ上では枚数も多くなってしまうことから12時間前の図は載せていませんが、あくまで予報の原則=過去から現在を見て、未来を予想する、に則るように意識しています!
      「正渦度域でありながら、負渦度移流がある場合」→正直、定量的には追えていないのは事実で、ここまで私は考えていられませんでした。ですのでその点現象を見誤っている可能性はありますね。私にとっては見落としていた視点だったのでご指摘嬉しいです。感謝いたします!

タイトルとURLをコピーしました