2024/02/24 日光白根山

ふみあと

11:45 ロープウェー山頂駅 ~ 12:05七色平分岐 ~ 13:35 日光白根山 ~ 14:40 七色平分岐 ~ 15:00ロープウェー山頂駅

実際の天気

13:45頃、日光白根山周辺は麓から晴れていたが、周囲の山域では雲に覆われている様子が確認できた。

谷川・尾瀬などの西~北西方面

標高2000 m以下で雲に覆われていた。

男体山などの南東方面

こちらも標高2000 m以下で雲が広がっていた。

ここからは、周辺山域ではなぜ雲が出て、日光周辺では出なかったのか考察したい。

02/24 緩やかな冬型の気圧配置

09:00の実況天気図を用いて当日の天気を振り返る。

地上天気図(等圧線)

弱い冬型の気圧配置で、高気圧が張り出した状態であった。弱いながらも季節風が吹き、日本海側の山域は曇り、太平洋側の山域は晴れると予想された。日光連山はふもとから広く晴れた。谷川・尾瀬方面の雲は弱い季節風による斜面上昇と考えられる。男体山方面の雲はなぜ現れたのだろうか?

高層断面図

これは、東経140°に沿った断面の鉛直方向の気象要素を示した図である。今回は日光に最も近い館野の情報から考察する。

館野の下層のデータを拡大した。各目盛り線が気圧面に対応しており、併記した数字は左が気温、右が湿数である。風向に注目すると900 hpaから850 hpaまでは時計周り、850 hPaから上層は反時計回りに風向が変化する。これは、下層では暖気移流、上層では寒気移流があることを示唆する。気温に注目すると、850 hPaで-6.5℃、800 hPaで-5.1℃と、高度の上昇と共に温度が上層している。これは(沈降性)逆転層の存在を示唆している。気象庁の「過去の気象データ」から詳細な記録を取得し、Excelでグラフ化した。

すると、たしかに標高1300 – 1800 m付近で逆転層が確認できる。このとき、逆転層より下層では相対湿度が60-80%と湿っていて、逆転層より上層では相対湿度が10%と乾燥した状態であった。以上から下層に流入した暖湿空気が上昇して雲となり、標高1800 m付近で成長は止まったと言える。実際、男体山に近いアメダスのの奥日光 (標高1300 m) では終日相対湿度が90%を越えていて、下層は湿っていたと言える。

さて、日光白根山の周辺を確認すると、西側は谷川や尾瀬によってブロックされていて、東側は男体山や足尾山地にブロックされていることが分かる。この日のように風が弱い日は日光白根山まで雲が届かず、麓から晴れていたのだろう。

2024/02/24 09:00の館野の高層観測データ

https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/upper/view/daily_uth.php?year=2024&month=2&day=24&hour=9&atm=&point=47646&view=

2024/02/24 奥日光の観測データ

https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=41&block_no=47690&year=2024&month=02&day=24&view=p1

北海道放送 専門天気図

https://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html

国土地理院地図 GSI Maps

https://maps.gsi.go.jp/

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