2023/10/04 09:00の予想天気図:中ア・石鎚

日々の天気図解析

【今日の予想対象山域:中央アルプス・石鎚山】

停滞前線は日本の南に伸びる。中アでは南よりの風が吹き、終日雨となる予想。石鎚は北よりの風が吹き、晴れ間が多くなる見込み。

地上(等圧線・前12時間降水量)

高気圧が北日本を通過してその背後に上空の気圧のトラフが進行する。そのさらに背後に高気圧が入り、これが冬の空気を感じさせる(気圧の高さ、後述する気温の低さ)。停滞前線は日本の南海上に伸び、日本は全域がその前線の北側に位置するが、各地の風向によって晴れたり雨になったりする。中ア周辺では南よりの風が吹く。これは、東へ抜ける高気圧後面の風によると考えられる。石鎚では北よりの風となる。これは、大陸からの吹き出しによると考えられる。

500 hPa(等高度線・渦度)

大陸東岸には亜熱帯ジェットの蛇行に伴う気圧のトラフが解析できる。北日本ほどこの影響を受けて曇りや雨となる山域が多い。特に関東付近では紫で囲んだ領域で激しい対流が予想されていることから、雲が発達しやすくなっている。中アはちょうどジェットの強風軸に重なり、対流が起きやすい位置にある。石鎚は負渦度域(下降流域)にあり、安定している。

850 hPa(等相当温位線・風)

台風14号によって温暖湿潤空気が北に持ち上げられている。これらが前線にぶつかり、前線付近で雨をもたらす。ただし、日本列島はその前線の北側に位置するためその影響は小さい。中アでは高気圧の後面の南風を受ける。そして、伊勢湾付近で等相当温位線が北に凸になっていることから、東海地方では局所的に湿った空気が流れ込んでおり、それが南風に乗って中アに雨雲をもたらすと考えられる。午後になってもこの傾向は続き、終日雨となる予想である。石鎚では等相当温位線の集中帯に位置する(空気の性質が急激に変化するところ)ため、雲ができやすい。ただし、風が弱い(5 KT程度)ため斜面を上昇する力が小さい、また午後には等相当温位線の集中帯は解消されるため晴れ間が多いと予想できる。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

組織的な上昇流域は、停滞前線、三陸沖の高気圧の後面、上空のトラフに沿った領域、台風14号周辺に解析される。東海沖では負の鉛直p速度の極大域が解析され、局所的に雲が発達しやすい領域があることを示唆する。850 hPaを見ると、このあたりは風が収束する領域になっている。ここでできた雲は、中アにも流れ込むと考えられる。温度分布は、日本海では北に凸であるが、西日本では緯度線にほぼ平行である。中アは11℃、石鎚は15℃である。21時の予想では中アは13℃、石鎚は15℃である。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

日本列島に沿って湿潤域が広がる。中アでは終日、湿数の低い領域に覆われるため、雨が降ると予想される。石鎚では午前中の内は湿潤域と解析され、雲に覆われやすいものの、ここまで述べたように状況が次第に良くなり、また、乾燥域に移行していくため日中は晴れやすいと考えられる。温度分布は緯度線と平行で、本州以南では明瞭な温度移流は確認できない。中アは-9℃、石鎚は-6℃である。中アでは雷の可能性は低いと考えられる(空気が500 hPaまで上昇しても、温度差が非常に大きい訳ではないため)。大陸では-30℃を中心とした寒気が控えており、冬の気配を感じる。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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