山雪型 

天気図に登場する用語集

今回は冬の特徴的な気圧配置である山雪型について説明します。

今回は、「クリスマス寒波」と呼ばれた2022/12/24 21:00の予想天気図で説明します。

地上天気図の特徴

山雪型では等圧線が密に南北に走る。大陸に1040 hPaの高気圧、北海道の東の海域に976 hPaの低気圧があり、東西の気圧差は64 hPaとなる。等圧線が密であるため、北西寄りの季節風が非常に強く吹く。

当日9:00~21:00の予想降水域を緑色で示した。日本海側で顕著な降水が予想されている。山雪型では、非常に強い風が日本海側の山(奥羽山脈・上越・北アルプス・中央アルプス・中国地方)の斜面を登ることで上昇気流が発生することで対流が発生し、特に山で大雪をもたらす。このため、「山雪」型と呼ばれる。逆に、南アルプスや八ヶ岳など太平洋側では、下降気流に転じる上に空気に含まれる水蒸気は既に日本海側の雪でなくなるため、雪になることは少ない。

850 hPa天気図の特徴

山雪型において、寒気がどれほど南下するかは重要ではない。同じ時刻の予想図では寒冷乾燥である相当温位が285 K以下の空気はほとんどが日本列島を覆っておらず、平地では日中は雪にはならなかった。ただし山では十分に気温が低く、上昇気流も活発になるため降雪が激しくなる。山雪型では等圧線の間隔が重要となる。

ジェットの特徴

こちらは300 hPaの等高度線・等風速線である。紫の矢印が大気高層のジェットを示している。このように、大陸にリッジ(寒冷前線ジェットが北に凸の状態)が、日本列島の東に低気圧中心(紫✕)の状態が形成されると、東西の気圧差が大きくなる。これは、ジェットの蛇行の周期(ジェットの蛇行は、熱帯側と寒帯側の空気の温冷交換の役割を持つ)によって決まる。ジェットを、大陸から太平洋まで視野を広げて追えば、地上におけるおおまかな気圧配置が予想できる。

山雪型では強風に注意

山雪型においては、山では非常に強い風が吹く。特に稜線上では滑落につながるため、行動は避けたい。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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