せっかく8:30現在東京で雪が降っているのでその点考察していきます。
地上(等圧線・前12時間降水量)
9:00現在、南岸低気圧は九州に上陸し、雨を降らせています。しかし既に関東では雪が降っています。むしろ高気圧が少し居残っている状態です。
850 hPa(等相当温位線・風)
850 hPaの風分布にヒントがありそうです。関東~東海の海上では、東へ抜けていく高気圧の側縁流と、南岸低気圧がもたらす南よりの風が合流しています。それらが収束しながら海からの水蒸気を日本に運ぶため、降水の材料が供給されています。ちなみに寒冷前線は等相当温位線の集中帯の南縁です。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
太平洋から関東~東海に向かった風は山地にぶつかり上昇気流を発生させます。そのため、山地ほど降水が強くなる状態です。等温線を見ると-6℃線は関東に到達していない上に、850 hPaでは南風が卓越しています。しかし雪は降っています。これは850 hPa~地上の状態に依るところかと思います。首都圏近郊で下層では北風が吹いていたり、気温減率が小さく雪の状態を保てていたり(8:30現在東京は地上で2℃らしいのでギリギリ雪を保てる)と要因は推測できますがこの天気図からは読み取れません。だから南岸低気圧による降雪は難しいらしい。
ちなみに寒冷前線の先には停滞前線が分布しています。これは上昇流域が広がるから、ということに加えて、前述の相当温位の分布では寒冷前線の特徴は見られなかったためです。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
西日本全域に湿潤域が広がっています。低気圧が近づく前から降水が予想され、長い時間降るでしょう。ちなみに九州から台湾にかけては寒冷前線の特徴がはっきり表れています。乾燥域が寒冷前線後面に流入しています。台湾より西側ではそれが見られないため、停滞前線と見ています。
500 hPa(等高度線・渦度)
いつもの300 hPaは24時間後(21:00)の天気図なので、こちらを用います。南岸低気圧に対して深いトラフが対応しています。結果的に、12時間あたり最大61 mmの雨をもたらすまでに発達しています。このままトラフの加勢を受けながら南岸低気圧は東進していく予報です。寒気流入が続けば東京でも雪は夕方~夜まで続くでしょう。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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