甲府(4:35発のバス)~広河原(6:50発)~白根御池小屋(9:00)~北岳肩の小屋(11:50-休憩)~北岳(13:20)
当日の空の様子



11:00頃、主稜線直下まで霧~小雨。
11:30頃、主稜線上。北方面。稜線東側はみっちり雲に覆われるが西側は雲が取れている。
13:30頃、北岳山頂。西方面。山頂にいる間は常にガスに覆われていた。
天気図で振り返る
地上天気図

高気圧が三陸沖を東進し、遠ざかる。日本海を低気圧が進んだ。関東や中部は高気圧の後面に入り、東~南から湿った空気が供給される形となった。
850 hPa(左) & 700 hPa(右)


緑は湿数3℃以下の湿潤域。850 hPaでは東よりの風で、太平洋沿岸は広く湿った空気が入っていたことがわかる。北岳も、相模湾や駿河湾から流れ込む方角から風が吹いた。広河原ルートは東から登る。湿った空気は斜面を登るが、現地では風が弱かった。そのため、雲が発達するというよりもゆっくりと凝結温度に達して、霧や小雨となったのだろう。そして稜線(700 hPa付近)に出ると西風が主体となる。稜線上では10m/sまでは達しないが、時折風が強まった。下層の東風が弱く、稜線に達すると西風によって流されてしまうため、写真のように稜線から東へ雲が流れる様子が確認できた。稜線の東側のすぐ近くでは霧が渦を巻く様子も確認できた。また、仙丈の稜線上は雲に覆われていたが、こちらは展望があった。これは、仙丈の稜線を超えて、フェーン現象により、間の谷では雲が晴れたのだろう。
500 hPa(左) & 300 hPa(右)


300 hPaでは紫線の、南の亜熱帯ジェットのと北の寒帯前線ジェットが確認できる。300 hPaと500 hPaで強風軸が若干ずれているが、500 hPaでは湿数の情報をもとの軸を推測した。ジェットの南側では湿数が低く(=湿っている)、北側では湿数が高い(=乾燥している)傾向を利用した。

写真は11:45分頃である。上空は時折、湿り気の少ない雲が顔を覗いた。500 hPaより低い高度では雲がびっしりであったが、上空は比較的乾燥していたことがここからわかる。
なぜ北岳山頂はガスに覆われた?

これは地形の影響が大きいと考えられる。白根三山の西には仙丈から塩見につながる稜線が伸びる。北岳(赤□)の西には峠(赤〇)があるが、風はこの峠に集まって吹きやすい。そして、北岳の西には深い谷がある。峠を越えた空気がこの谷に集まることで、収束し、凝結、ガス(雲)となるのだろう。凝結高度が上がらない限り、晴れ間は見込めなかった。
天気図は「北海道放送 専門天気図」より取得、編集して作成しています。
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