2023/01/05 21:00の予想天気図

日々の天気図解析

南岸低気圧の予兆あり。今日から数日は南岸低気圧に注目して解析する。

地上(等圧線・前12時間降水量)

東シナ海に高気圧が張り出してくるが、その等圧線を見ると台湾付近で北に凸の形状となっている(赤線で強調)。また、前12時間降水量も、最大値が38 mm/12時間と解析されている。この、「等圧線が北に凸になる」ことや「等圧線のくぼみがある」ことは低気圧となる可能性が高いことを示すため注目したい。実際に、既に降雨となっていることが確認できる。

850 hPa(等相当温位線・風)

相当温位で見ると低気圧の予兆がより明瞭である。赤線で強調したように、より湿った空気が台湾北部に向かって北へ流入しており、暖湿空気と寒冷乾燥空気の交換が始まっていることを示す。この暖湿空気の流入が雨に繋がっている。風の分布もよく見ると台湾北部に弱い低気圧性循環が確認でき、低気圧発生の予兆と言える。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

相当温位同様、等温線も北に凸となっている。さらに、その領域に沿うように上昇流域(青塗り)が分布している。暖気が流入し、それが持ち上げられることで、低気圧と降雨帯を形成していく。台湾付近の降雨は既にこの2つが揃っているため発生していると考えられる。この低気圧が今後北上し、水蒸気を多く含んだ空気がどの温度の空気に触れるか(具体的には-6℃に触れるか)で雪になるか雨になるか決まる。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

500 hPaでは-6℃の等温線が北に凸となり、低気圧の予兆であると考えられる。しかし9:00現在の衛星画像で確認しても、雲域が大気中層~高層まで至っている様子は、まだ確認できない。しかし、700 hPaでは広い範囲で湿潤域(青塗り)であり、前述の上昇流域と合わせて、まとまった雲が形成される要因が揃っている。

300 hPa(等高度線・等風速線)

ジェットの分布は現状、今回の南岸低気圧の卵には直接関係はしてこない。しかし、寒冷前線ジェットが何度も蛇行している様子が伺え、現在モンゴル付近にいる寒気中心の進路によっては南岸低気圧と干渉し、雪につながる可能性もあるため、動きに注意したい。

以上から、南岸低気圧が発生する予兆がいくつかの気圧面で確認できた。雲域はまだ大気下層~中層に留まり、明瞭な低気圧中心は解析されないが、既に台湾では降雨を伴っている。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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