【予想時刻T=0: 2025/03/13 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:南岸低気圧が発達しながら四国のすぐ南を通過している。12時間前の中心気圧は1012 hPaとの予想が、9時には1004 hPaまで発達している。降水域は西日本を広く覆う。大陸には1040 hPaの高気圧があって、低気圧と高気圧の気圧差は大きい。
考察:低気圧の中心気圧は12時間で8 hPaの気圧降下があって、勢力を強めていると言える。現状の進路は列島に近く、より温かい空気に覆われやすいため太平洋沿岸の平地での雪は期待できない。大陸の高気圧との気圧差が大きいことから、低気圧通過後は風が強まることも考えられる。
朝9時の予想:八ヶ岳では風が強く、標高の高いところでは雪。大山ではしとしと雨が降る。
500 hPa(等高度線・渦度)

状況:中国東北部で深いトラフが確認できる。
考察:このトラフは後々、北東進してくる南岸低気圧と対応し、低気圧の勢力を強めると考えられる(より冷たい空気を低気圧に運ぶため)。
850 hPa(等相当温位線・風)

状況:低気圧性循環の中心は九州北部にあって、前線の位置も地上と比べて北にある。八ヶ岳では25 KT (=12.5 m/s) の南東風、大山では10 KT (=5 KT)の南東風である。温暖前線は風のシアが認められる位置に、寒冷前線は等相当温位線が密となる部分の南端に引いている。
考察:850 hPaの低気圧性循環の中心と地上低気圧の位置は大きく離れているが理由までは思いつかず(緯度にして5度分は離れすぎと思う)。八ヶ岳では太平洋から直接(他の山を乗り越えずに)届くため風が強い状態となる。稜線では15 m/s以上の風と考えられる。反対に大山では四国山地中国山地を越えてからたどり着くため、また、乱層雲の雨のため、降り方も弱いだろう。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

状況:700 hPaの温暖前線はより北にシフトする。上昇流の極大域を見ながら引いている。寒冷前線も同様に、極大域と、下降流域との境界を見ながら引いている。気温は八ヶ岳で-1℃、大山で1℃。
考察:太平洋沿岸は3℃前後であり、標高1500 mでも雨となる。八ヶ岳では乱層雲に伴う降雪(標高2000 m以下は雨)と強い風が予想できる。大山でも乱層雲に伴う雨が降る。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

状況:広く湿潤域に覆われる。気温は、八ヶ岳、大山ともに-16℃。中国東北部のトラフに伴って寒気が流入している。
考察:トラフの寒気が低気圧にもたらされると、低気圧の南北で気温差が大きくなり発達しやすくなる。前項の上昇流域と合わせて、八ヶ岳や大山では雲は大気中層まで成長すると思われる。850 hPa-500 hPa間の鉛直気温差は15-17℃と大きくなく、空気塊の上昇は低気圧によるものである。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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