2024/10/06 09:00の予想天気図:北ア・大雪

日々の天気図解析

【予想時刻T=0: 2024/10/05 09:00】

地上(等圧線・前12時間降水量)

日本海と北海道に弱い高気圧があって、日本列島の南に沿うように停滞前線が伸びる。シベリア地方に1032 hPa以上の高気圧が発生しており、冬の訪れを感じさせる。9時の時点で、大雪山では高気圧に覆われ、空気も乾燥していることから晴れの予想。北アでは湿った空気に覆われて曇りや霧の予想。

500 hPa(等高度線・渦度)

亜熱帯ジェットの強風軸が北海道を通る。そのため、大雪山の付近の上空では風が強く、稜線でもやや強い風が吹くと考えられる。風速は次項で考察する。太平洋沖や大陸では高気圧が張り出す。北海道は正渦度域として解析されているが、後述するように中層大気がかなり乾燥しているため雲の発生には繋がらない予想。

850 hPa(等相当温位線・風)

中国地方、北陸地方、東北南部を330 Kの等相当温位線が通るが、これを南端として相当温位の変化の大きい領域が伸びる。850 hPa面の停滞前線はこの330 K線に概ね沿っていると考えられる。北アは330 K線の南側にあって、空気は比較的湿っていると考えられる。風は5 KT程度で弱いことから、9時頃は霧となっていると予想する。大雪山では相当温位300 K以下と空気は比較的乾燥している。風は5-15 KT (= 2.5 – 7.5 m/s )の西南西の風で、稜線上では最大 8 m/s程度の風が吹くと考えられる。風向分布から、日本海から直接風が届いている様子ではないため、大気下層でも湿った空気の流入は少ないと考えられる。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

北アなどの日本海沿岸地域は下降流域と計算している。500 hPaで太平洋と大陸の高気圧が連なっていることも踏まえると、大気中~高層にかけては比較的下降流となっている領域が多いことも理由の1つと考えられる。停滞前線に伴う雲の背は700 hPa付近の高さと言える。このため北ア周辺では稜線付近までは霧であるものの上空は晴れていると考えられる。大雪山では樺太の北の低気圧の影響もあって上空では上昇流域と計算されているが、先述した通り空気が乾燥しているため持ち上げられても飽和しないものと考えられる。気温は、北アで13℃、大雪で7℃。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

700 hPaの停滞前線の南側に沿って湿数3℃以下の湿潤域と計算されている。赤線は湿数が約30℃で、前線の北端付近を示す。北アは湿数の変化が大きい領域に位置しており、赤線の北側に位置するようになれば霧は取れていくだろう。9時の時点では湿った空気が周囲を覆っているだろう。大雪では湿数40℃以上と非常に乾燥している。気温は、北アで-8℃、大雪で-14℃。850 hPaと500 hPaの高度差を4000 mと仮定したときの気温減率は、約0.53 ℃ / 100 mで条件付き不安定である。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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  1. jz.3879 より:

    北海道は浅いトラフ(500 hPa)となっており、700 hPaでは上昇流が予想されるているものの非常に乾燥。こうした状況を踏まえると、本文で言及されている通り、大雪山では確かに雲の発生はなさそうですね。
    本日もとても参考になりました!ありがとうございます!

    • Jedi_uma より:

      そうですね!湿数40℃超とかなり乾燥しているのがポイントだと考えました!本日もコメントありがとうございます!!

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