【予想時刻T=0: 2024/05/11 21:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
日本海を前線が東進し、天気は下り坂。低気圧に伴う寒冷前線は対馬付近で停滞前線となる。分離の根拠は近傍の風向で、対馬付近の前線の北側の風向は東よりであることから、寒冷前線には当たらないと判断した。前線を中心に30 mm/12h>の雨が強い領域が確認できる。谷川や八ヶ岳では夜以降雨が強まるが、午前中は安定していると考えられる。太平洋側に近い山域ほど早く雨が降り始める。
500 hPa(等高度線・渦度)
深いトラフが接近する。南北の温冷交換が促進される。谷川や八ヶ岳では正渦度域と負渦度域が乱立することから大気中上層の対流があって、中上層の雲が朝から発生すると考えられる。地上の寒冷前線と停滞前線の分かれ目のもう一つの根拠として、寒冷前線が500 hPaのトラフに対応することが挙げられる。トラフが概ね北緯35°付近まで伸びるため、地上の寒冷前線もそれと同等の緯度まで伸びると予想した。
850 hPa(等相当温位線・風)
寒冷前線の前面に向かって南から湿った空気が供給されている。九州の付近には330 K以上の暖湿空気が入る。谷川や八ヶ岳では315 K前後の空気が入り、21時の予想では318-321 Kとなる。また、風は20 KT前後から21時には30 KT前後となり、次第に強まる予想である。雲が多く日中の気温の変化が小さいことからこの相当温位の増加はより湿った空気が入ったことを表すと言える。さらに風も強まることから南からの吹き付けが強まり、雨も強まると言える。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
広く上昇流域に覆われる。谷川や八ヶ岳でも午前中から大気中上層に雲が見られると考えられる。また、上昇流の極大域は概ね前線と一致する。気温は、谷川で12℃、八ヶ岳で9℃。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
湿潤域も概ね前線の南側領域に一致する。前線の北側は乾燥域である。気温は谷川で-10℃、八ヶ岳で-9℃。Windyより各気圧面の高度を取得し、気温減率を計算すると、谷川では22 ℃ / (5760-1520) m = 0.52 ℃ /100 m、八ヶ岳では、18 ℃ / (5820-1520) m = 0.42 ℃ /100 mと安定している。上昇流の要因は前線の収束や斜面上昇に依る部分が大きいと考えられ、雷の心配は小さいと言える。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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