2023/10/29 09:00の予想天気図:北ア・秩父

日々の天気図解析

【今日の予想対象山域:北アルプス・奥秩父】

寒冷低気圧(切離低気圧)が東日本を東へ通過する。この寒冷低気圧が通過する山域では降水が予想される。次第に大陸から張り出す高気圧に覆われるため、午後には天候が回復してくる。北アルプスでは午前中は雪、夕方以降天候が回復。秩父でも標高が高いところは日中雪になる予想で、寒冷低気圧の後面に入ると晴れてくる。

地上(等圧線・前12時間降水量)

東日本から北日本を中心に降水が予想されており、局所的に激しく降るところもある。これは寒冷低気圧が発生しているためであると考えられる。この寒冷低気圧がゆっくり東進し、次第に大陸の高気圧に覆われるため回復に向かう予想。

500 hPa(等高度線・渦度)

昨日の予想ではサハリン付近を通っていた寒帯前線ジェットの500 hPa強風軸から、低気圧が切離し、寒冷低気圧(切離低気圧)として振舞う。ジェットの流れから切り離されるため動きが遅くなりがち。寒冷低気圧では特にその南東側で降水が激しくなる傾向がある(下層に温かい空気が入りこんでいることが多く、下層と上層の温度差が大きくなるから)。9時の予想ではちょうど寒冷低気圧の中心が日本列島を通過しているが、21時の予想では太平洋に抜けるため、午後以降天候は回復に向かうと考えられる。

850 hPa(等相当温位線・風)

東日本や北日本では三陸沖の下層の低気圧による、低気圧性循環と、大陸から吹きだす風が合流し、北風が卓越する。ただし、北アルプスや秩父では風は強まらない見込みで、最大でも10 KT(=5 m/s)と予想されている。このことから発生する雲は下層と上層の温度差によるところが大きい(後述)と考えられる。21時の予想でも風は強くなく、また寒冷低気圧が抜けていくため天気は回復していく予想。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

温度分布から、寒冷低気圧に引かれるように冷たい空気が南下している様子が分かる。気温は、北アルプスで3℃、秩父で4℃の予想。下層の低気圧により、北日本では暖気移流が認められる。上昇流域は寒冷低気圧の東側で主に解析できる。極大値が解析できるところでは、地上でも降水量が多く予想されている。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

同様に、寒冷低気圧の東側を中心に湿潤域が解析される。また、寒冷低気圧に向かって寒気が南下していることも分かる。気温は、北アルプス、秩父ともに-21℃で、850 hPaとの気温差はそれぞれ24℃、25℃となる。気温差が大きく、対流が活発になると予想される。北日本では、下層で暖気移流、上層で寒気移流と温度差が大きくなる。21時の予想では寒気が抜け、気温差はやや解消され、回復する。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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