相当温位

天気図に登場する用語集

前回,天気図に登場する用語集で投稿した「温位」ではその定義と温度との違いについて説明しました.今回は「相当温位」を取り上げます.

復習:温位

温位とは,空気を乾燥断熱減率(1℃/100 m)で1000 hPaまで下降(上昇)させたときの温度でした.異なる高度にある空気を比較するために用います.しかし,実際の空気は完全に乾燥しているとは限らず,むしろ,少なからず水蒸気を含んでいることが常です.それを表現するのが相当温位です.

相当温位

相当温位とは,温位にその空気に含まれる水蒸気の熱を足したものです.水蒸気を多く含むと相当温位は高くなります.計算原理は図の通りです.空気塊を,含まれる水蒸気が完全に蒸発するまで上昇させます.このとき,湿潤断熱減率(0.5 ℃/100 m)です.その後,1000 hPaまで乾燥断熱減率(1 ℃/100 m)で下降させます.行きで下がる気温より帰りで上がる気温のほうが大きいため,水蒸気を多く含むほど相当温位は高くなります.

実際の天気図では,850 hPa面の予想天気図で使用されます.下層大気の湿り具合を見ることで,その空気が降水につながるかどうか判断するために使います.

予想への意見・反論・質問はぜひこちらから!

タイトルとURLをコピーしました