2023/10/16 09:00の予想天気図:上越・大山

日々の天気図解析

【今日の予想対象山域:上越~尾瀬・大山(中国地方)】

低気圧が北海道の東海上を北東進する。このため、西高東低の気圧配置となり、日本海では北西の季節風が強まる。上越ではこの北西風に乗った水蒸気が雨雪を降らせる。大山では上越ほど風が強くなく、曇りの予想。

地上(等圧線・前12時間降水量)

低気圧が発達しながら北海道の東海上を北東進する。このため、東北~北海道では等圧線の間隔が狭くなり、冬型の気圧配置になる。等圧線に沿って、各地で北西風が強まる。上越では日本海から吸い上げた水蒸気を含んだ北西風が流入する。大山でも同様のことが起こるが、吹走距離が短く、また風速も小さいため水蒸気を含む量が相対的に少なく、曇りで留まると考えられる。

500 hPa(等高度線・渦度)

沿海州に、寒帯前線ジェットに伴う低気圧が東進する。後述するように強い寒気を伴って北海道に接近する予想で、明日以降北海道では平地でも雪になる可能性がある。上越や大山ではこのトラフの影響は小さい。どちらの山域も概ね負渦度域(下降流域)に覆われるため、雲が上層まで成長する可能性は低い。

850 hPa(等相当温位線・風)

沿海州の低気圧は相当温位285 K以下の寒冷乾燥空気を持つ。これが入ると平地でも雪となる可能性が高い。日本列島では大陸の高気圧から北海道の東の低気圧に向かって西寄りの風が卓越する。上越では最大30 KT(=15 m/s)の風が予想される。また、風向分布から、大陸から長い距離を季節風が吹いていることが分かる。上空の寒気移流と相まって、その季節風が日本海から水蒸気を吸い上げて雲が発達し、それがさらに上越の西側斜面を登る。稜線上では風が強く、体感温度はかなり低いと考えられる。大山でも同様に北西風が吹くが、吹走距離が短く(朝鮮半島~中国地方の短い距離を風が吹く)、上空の気温も日本海北部よりは暖かいため、季節風が水蒸気を吸い上げる量が上越と比べて相対的に少ない。また、風速も最大15 KT(=7.5 m/s)と、斜面を駆け上がる力も弱いことから曇りで留まると考えられる。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

季節風が日本海沿岸に吹き付けることで、北海道から中国地方にかけての広い地域で上昇流域が解析できる。また、負の鉛直p速度の極大域(赤丸)から、低気圧中心と閉塞点を推測できる。北海道へは-6℃以下の寒気が近づく。上越では8℃、大山でも8℃の予想。21時の予想では、気温は1-2℃低下する予想。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

日本海北部に湿潤域が解析できる。ここから、上越を含む東北地方の日本海沿岸の山域の周辺では、雲が雨雪をもたらす程度まで十分に発達していることが分かる。対して大山周辺には湿潤域は解析できず、このことから、雨にはならず曇りで留まることが予想できる。沿海州には-27℃以下の寒気が入っており、特に北海道では明日以降大雪となる恐れがある。上越では-16℃、大山では-15℃の予想。気温減率から、上越、大山共に2600 m付近より上部で雪になると考えられる。両山域とも、それ以下であるため稜線では雨となるだろう。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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