2023/10/01 09:00の予想天気図:南ア・飯豊

日々の天気図解析

【今日の予想対象山域:南アルプス・飯豊山脈】

南アルプスでは午前中の内は雨風が強いが、午後になると次第に回復する。飯豊では終日雨で、午後になると風が強まる。

地上(等圧線・前12時間降水量)

温帯低気圧が日本列島を複数通過する。南アルプスでは、前日夜から当日朝にかけて、三陸沖の低気圧から伸びる寒冷前線の通過に伴って雨風が強い予想。寒冷前線通過後は、西からの乾燥した空気に覆われて天気は回復へ向かう。飯豊では北海道の北西沖の低気圧は、直接の影響はないものの、大陸の高気圧が張り出してくるため西高東低の気圧配置となり、西風が強まる。このため日本海側から湿った空気が供給されて終日雨となる予想。

500 hPa(等高度線・渦度)

亜熱帯ジェットの蛇行に伴って深いトラフが形成される。このトラフの接近に伴って、各地で天候悪化が予想される。特に飯豊はジェットの強風軸と重なり、午後にはその北側に移動するため正渦度域に入り、雲が上層まで成長しやすくなる。

850 hPa(等相当温位線・風)

図中、赤線は風のシアがあるところ、青線は等相当温位線の集中帯を示す。9時の時点では南アルプスは集中帯の南側にあって、ここで降る雨は伊勢湾を始め太平洋からもたらされた水蒸気によるものと考えられる。21時には集中帯は南アルプスよりも南へ移動し、南アルプス周辺の相当温位は低下する予想である。このことから午後になれば天候は回復すると予想できる。飯豊は集中帯より北側に常に位置するが、850 hPaで最大25 KT(=12.5 m/s)の西風が予想されており、稜線ではさらに強くなると予想される。このため、強い風によって日本海から水蒸気が供給されてそれが斜面を登って雨が降ると考えられる。21時の予想では風はさらに強く、30-35 KT(15-18 m/s)の風が予想されており、雨風は強まる見込み。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

上層のトラフに伴って、大陸東岸では850 hPaでも比較的寒冷な空気が南下している。三陸沖の寒冷前線は15℃の等温線に対応する。21時の予想では、関東~東海に15℃の等温線が停滞する予想で、これが長く続けば南アルプスでの天候回復が遅れる可能性がある。南アルプスでは気温17℃、飯豊では気温13℃の予想。9時では組織的な上昇流域が本州を広く覆う。飯豊を始めとした東北の日本海側では21時の予想でも沿岸に上昇流域が解析され、終日日本海からの空気の供給を受けるものと考えられる。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

ジェットの強風軸に沿うように、もしくは850 hPaの風のシアや集中帯に沿って湿潤域が伸びる。南アルプスも、飯豊もその範囲内にあり、雨が降ることが予想できる。飯豊ではこの雨に加えて日本海からの流入もある。シベリア方面では-24℃を中心とした寒気が流れ込む。この程度の寒気が入るようになると、北海道では山頂で雪がちらつき始めるか?南アルプスでは気温-7℃、飯豊では気温-9℃の予想。飯豊では500 hPaで正渦度域と解析されるため、雷に注意したい。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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