北海道は晴れ。本州の日本海側の山域では昼までには回復していく見込み。東北の太平洋側、関東、南アルプスや八ヶ岳、東海、四国では雲が残り、雨のところも。特に中部山岳周辺ではにわか雨に注意したい。
地上(等圧線・前12時間降水量)
日本海を進む高気圧に押され、停滞前線が南下する。日本列島は前線の北側に移動するため、北風が卓越して相対的に温度の低い空気が流れ込むため、晴れている地域でも酷暑とはならない見込み。東北太平洋沖では停滞前線がキンク(折れ曲がっているところ)となっていて、その周辺で多くの降水が予想されている(最大163 mm/12 h)。
500 hPa(等高度線・渦度)
北海道の北東の、オホーツク海高気圧に伴う、上空の寒気が、ここしばらく停滞している。亜熱帯ジェットの蛇行に伴うトラフが、北海道の北東の低気圧に伴うトラフと一体化(?)することで大きなトラフになっている様子。このトラフの進行は遅く、20日中は位置をほとんど変えない予想となっている。そのため晴れる予想が出ている山域でも、天気の回復が遅くなる可能性がある。
850 hPa(等相当温位線・風)
停滞前線の南側を、キンク(低気圧がいる位置)に向かって温暖湿潤空気が流れ込む様子がよく分かる。前日夜から当日朝にかけて特に太平洋側では雨が予想されるが、この温暖湿潤空気の領域が南下すると雨も次第に落ち着く見込み。正直、ここまで南下する予想はできていませんでした。さて、午後にかけては中部山岳~関東にかけて、局地的な低気圧循環が予想されている。この周辺に、周囲よりも相当温位が高い空気が集まっているため、午後のにわか雨には注意したい。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
停滞前線が南下したことで、その北側、特に日本海沿岸では下降流域が目立つ。天気が回復すれば、日本海沿岸の山域はすっきり晴れて、標高が上がれば気温もあまり上がらず快適だろう。例えば北陸から東北にかけては標高2000 mで約10℃と予想される。温度分布は、オホーツク海に寒気が停滞していることから、下層でも温度のトラフが明瞭で、停滞前線の南下と相まって暑さはやや和らぐ見込み。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
湿潤域の分布も、停滞前線の南下と相まって日本列島では乾燥域が中心となる見込み。ただし、850 hPaで述べたように中部や関東には午後、局地的に雨となる予想。そのため21時の予想天気図では中部~関東に湿潤域が解析されている。ちなみに、上昇流域も中部~関東にかけてのみ予想されている。日本海に-9℃の寒気が予想されているが、午後にかけて温度が上がって21時には解析されない。ただし、残った場合は東北地方周辺で雷となる場合がある。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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