日本海側の地域で雪
特に北陸~東北南部では強く降る
地上天気図(等圧線・前12時間降水量)
典型的な西高東低の気圧配置。さらに、秋田県沖にある低気圧への吹込みにより上昇気流が発生しやすい状態である。北西の季節風により日本海を渡った大陸の空気は水分を十分に含み、日本列島に雪をもたらす。等圧線は東西に走り、里雪型である。
850 hPa天気図(等相当温位線・風)
北日本の低気圧を中心にして、相当温位285 K以下の寒冷乾燥空気が巻き込むように日本列島を覆う。赤線は850 hPaで-6℃に相当し、平地でも雪が降る目安となる。低気圧に吹き込むように風が分布し、日本海側の地域に風がぶつかる様子が良く分かる。朝鮮半島にある寒気中心は、長白山脈という山に伴うもので、風がぶつかることで寒気が滞留していると考えられる。大元の寒気中心は左上の267 Kの空気と見られる。
850 hPa(等温線・風)&700 hPa(気圧変化率)天気図
青塗りが上昇流域に対応する。低気圧の吹込みがある北陸~北海道の日本海側で、寒気の南下による強い対流が原因と見られる上昇気流が解析される。-6℃の雪ラインは十分に日本列島を覆う程であり、これで南岸低気圧が通過すれば首都圏でも雪になるだろう。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)天気図
500 hPaで、-30℃以下の空気が舌状に入り込んでいる。東北地方の太平洋側にその寒気中心が存在し、如何に強い寒気が南下しているかが分かる。これは、低気圧による巻き込みが強く働いたと予想される。700 hPaの湿潤域は低気圧中心付近を除いた日本海上~日本海沿岸地域にかけて広く分布する。寒気による対流が強く、日本海中~北部地域で空気が湿っている。
300 hPa天気図(等風速線・等高度線)
亜熱帯ジェットと寒帯前線ジェットが合流し、最大160 KTの風を形成している。寒気が南下しているため、その前面に対応する寒帯前線ジェットが亜熱帯ジェット側に寄っていったと考えられる。寒気渦中心が津軽海峡に存在し、日本列島の大部分は風の流れから切離しているため、しばらく寒気は停滞する予想。
以上から、強い寒気の南下により里雪型の配置となり、特に北陸~東北南部では強い降雪が予想される。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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