【予想時刻T=0 : 2024/11/15 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
上空に寒気が入っており、典型的な西高東低の気圧配置になりそうな様子である。日本海は等圧線の間隔が狭い様子で、風が強いと考えられる。北アや飯豊などの日本海沿岸の山岳は先行して風が強いことが考えられ、朝の内から注意が必要。前線の南端は山形県沖付近であるが、実際にはさらに南まで伸びている可能性がある。9時の時点で北アは雨、飯豊は曇りか雨の予想。
500 hPa(等高度線・渦度)
中国東北部でトラフが深まる。強い寒気の目安となる5400 mの等高度線は北海道に迫る形で南下する。正渦度の極大域+168(赤丸)は地上の低気圧の位置と一致し、その西のトラフによって発達を続けると考えられる。華南から日本海にかけては寒帯前線ジェットの強風軸が通り、そのため、それに近い北アや飯豊などの日本海沿岸山域でも稜線に上がると強風に晒されると考えられる。
850 hPa(等相当温位線・風)
朝9時の時点では、まだ寒冷前線の通過前のため、低気圧に吹き込むような南西風が主体である。尚、温帯低気圧の暖気領域内であるため、気温もやや高い。次項で見ていこう。850 hPaでは、北アでは5 – 10 KT (=2.5 – 5 m/s) 、飯豊では 20 – 30 KT (=10 – 15 m/s) の予想である。特に飯豊では稜線上では朝から風が強いため、上がらないほうが賢明だろう。ちなみに、前線が通過しても日本海沿岸は天候は回復しない、典型的な例と考えられる。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
温帯低気圧の暖気領域が上昇流域として確認できる。サハリンの東方沖から北海道にかけて上昇流の極大域(赤丸)が確認でき、これが寒冷前線に対応する。新潟沖でも確認でき、ここが700 hPaにおける前線の南端となるか。850 hPaの気温は、北アでは11℃、飯豊では10℃の予想。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
北アは湿潤域に覆われ、飯豊も覆われるかどうかという位置である。日本海に近く風が強いエリアでは既に雨の可能性がある。シベリアでは-45℃以下の強い寒気が入っており、冬の本格的な訪れを感じさせる。気温は、北アで-12℃、飯豊で-13℃である。Windyより850 hPaの高度を、500 hPa天気図から高度をそれぞれ取得して気温減率を計算すると、北アでは(11+12) / (5760-1500) = 0.54℃ /100 m、飯豊では、 (10+13) / (5700-1500) = 0.55 ℃ /100 m。北アでは、標高3000 mでも 11 – (0.54 * 15) = 2.9 ℃ で、空気も湿っていることから雨の予想である。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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