【予想時刻T=0:2025/09/19 09:00】
まとめ
寒冷前線が通過した後ではあるが、その後の天候の変化には注意したい。北アでは西風が強まる。地上では北風が卓越するため、北部ほど雲が残る。気温も低下するため注意したい。那須では風は強くガスに覆われるが、日本海の湿った空気が流れ込み方角ではないため、降水の可能性は小さい。
地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:寒冷前線を伴った低気圧が北海道を通過する。大陸では高気圧が東進する。
考察:寒冷前線通過後、弱いながら西高東低の気圧配置となるため、日本海側の山域では寒冷前線通過後も天候の回復しない時間が長引きそう。北陸から東北の日本海沿岸では北から北西の風が卓越する見込み。等圧線の間隔はやや狭く、1500m級の山々で15m/sの風が予想される程度である。
500 hPa(等高度線・渦度)

状況:亜熱帯ジェットの蛇行により、日本列島付近でトラフが形成される。
考察:等高度線は中部以北で混み合っており、北アなどの高山帯の稜線では西よりの風が強く吹くことが予想される。
850 hPa(等相当温位線・風)

状況:寒冷前線が通過したあとでも、特に東北で風の強い状態が続く。北アでは10 KT前後の北西風、那須では20 KT前後の西風の予想である。
考察:那須では、西風の際は日本海からの湿った空気は届きづらいため、降水には遭いにくいが、朝から風が強いことが予想されるため、行動には注意したい。また、相当温位の分布から、寒冷前線通過後急激に下がることから、気温の低下にも注意したい。下界ではまだ暑い日が続いていたため、気温差が大きく、体も慣れていないため一層注意が必要だろう。余談であるが、寒冷前線の西には停滞前線があると考えられる。相当温位線が混んでおり、南北で空気の性質が大きく異なることと、風向が急激に変化していることが理由である。そのため九州の西部では雨に注意したい。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

状況:寒冷前線が伸びる太平洋沿岸に沿って湿潤域が分布する。その後面(北側)では急激に湿数が大きくなり(=乾燥して)、日本海で再び湿数が小さくなっている(=湿潤空気である)。また、寒冷前線からその先の停滞前線に沿っては、その北側でW(-6℃よりやや暖かい)が、南側でC(-6℃よりやや冷たい)が描かれる。
考察:寒冷前線が通過し、乾燥した空気がもたらされたものの、日本海では北よりの風が卓越したことと寒気が南下したことで海からの蒸発が進み、湿った空気が上昇していることが考えられる。前線の南北に現れたWとCだが、これは前線の鉛直断面をよく表現していると言える。寒冷前線では暖かい空気が前線面を昇っていくため、その上空では相対的に暖かい(湿潤空気であると気音源率が小さく、周囲の気温よりも小さくなりづらい)状態になる。そうすると、同じ高度(気圧面)で比べたとき、南北で気温差が生じるのである。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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