2025/06/01 09:00の予想天気図:北ア・丹沢

日々の天気図解析

【予想時刻T=0: 2025/05/31 09:00】

総括

低気圧が通過するも、日本列島は気圧の谷にあって、すっきり回復はしない様子。丹沢では前日までに降雨や雲が残る可能性があって、それが抜けたあとも駿河湾の方向から湿った空気が流れ込み雲に覆われる時間が続くが、一部では晴れ間も見えるかも。北アでは日本海から湿った空気が流れ込み、特に北部で雨や雪をもたらす。

地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:低気圧が通過するが、日本海沿岸を中心に降水域が確認できる。弱いながらも、朝鮮半島に高気圧、三陸沖に低気圧の西高東低の気圧配置である。

考察:朝鮮半島の高気圧と三陸沖の低気圧を結ぶと、気圧の谷が見える。気圧の谷では空気が集まりやすく、雲の発生しやすい環境をつくる。北アでは日本海から風が吹く気圧配置で、特に北アの北部では雨や雪が考えられる。丹沢では地上天気図で見ると駿河湾の方向から風が吹く形となっており、湿った空気の流入が予想できる。

500 hPa(等高度線・渦度)

状況:上空の気圧の谷の通過に伴ってトラフも通過する。

考察:回復傾向と取りたいが、上空に寒気が流れ込むため、必ずしもそうとは言えない。鉛直方向の気温分布の考察に続く。

850 hPa(等相当温位線・風)

状況:南シナ海には相当温位345 K以上の温暖湿潤空気が確認できる。日本列島では寒冷前線が通過したこともあって、315 K前後である。風は、北アで5 KTの北北西風、丹沢で5 KTの北西風の予想。

考察:丹沢では、大気最下層では南よりの風の予想であるが、850 hPaでは北西の風である。山頂近くでは晴れ間が見えると考えられる。北アでは日本海から湿った空気が流れ込むため、特に北部で雨や雪の可能性が高い。

850 hPa(等温線)

状況:北ア、丹沢ともに9℃である。東海地方で緑で囲んだ領域は、上昇流域で9℃よりも暖かい空気が存在している。

考察:前項で見たとおり、850 hPaでは北西の風が卓越しているが、地上天気図で見た気圧の谷に集まった空気の上昇と考えられる、上昇流域(緑)が確認できる。ここは周囲より暖かい空気があるところで、雲の発生も予想できる。丹沢もその範囲の一部と捉えたとき、前項で述べた「晴れ間が見える」は撤回される。北西の風とのバランスで、吹きおろしが強ければ晴れるだろう。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

状況:日本列島は-9℃以下の空気に覆われる。850 hPaとの気温差は概ね18℃である。北陸から東北の日本海沿岸や東日本の沿岸は湿潤域に覆われる。

考察:この時期の-9℃の寒気は、シビアな気象をもたらすものではまだない。鉛直方向の気温差も、雷につながるレベルではないと考えられる。湿潤域は、地上天気図で確認した気圧の谷に沿った内陸を除くエリアに見られる。丹沢に重なる部分は、前日夜までに雨を降らせた雲群のものと思われる。前項で確認した上昇流域に伴う雲群は700 hPaまでは成長しないのだろう(弱い上昇)。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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