【予想時刻T=0 : 2025/05/17 09:00】
総括
寒冷前線を伴う低気圧は沿海州に抜け、また、停滞前線も南下した。黄海には弱い高気圧が進むことから、西日本では天気の回復が期待できるが、山の上では難しい。大山の朝9時頃の天候は雨の予想で、風も10 m/s前後と予想されている。南アでは、前日夜までに夏の温かく湿った空気が流れ込んでおり、雨となっているだろう。雨は朝まで残る可能性があるが、前線は南下の傾向であるため次第に回復する。
地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:停滞前線は南下している。寒冷前線を伴った低気圧は沿海州に進み、2次の前線が現れる。黄海には高気圧が進む。
考察:2次の前線は、等圧線の形状から推測した。くさび型になった等圧線は風向が急激に変わっているところであり、前線位相が示唆される。黄海の高気圧は弱い。地上天気図からは大山での荒天は予想しづらい。
500 hPa(等高度線・渦度)

状況:亜熱帯ジェットは日本列島の太平洋沿岸沿いに強風軸を持つ。寒帯前線ジェットに伴う気圧の谷はこの時期にしては深く、5400 m以下の等高度線も確認できる。
考察:トラフの前面にある日本列島では南からの温かい空気が流れ込みやすい状況となっている。5400mの等高度線は概ね-30℃の寒気に対応し、それよりも強い寒気を伴っていることを示唆する。亜熱帯ジェットよりも南側は、太平洋高気圧の領域である。日本のすぐ南まで迫っている。
850 hPa(等相当温位線・風)

状況:日本列島の付近では等相当温位線の集中帯が2本確認できる。南アでは、10 KTの西風、大山では20 KTの西風が予想されている。南ア周辺は330 K以上の空気に覆われており、夏の空気が入り始めている。
考察:2本の等相当温位線の集中帯は、寒冷前線とは別ものである。地上天気図で推測した2次の前線から伸びるものと、九州南部から西に延びるものが確認できる。大山では、この内1つが通過目前で、これにより雨がもたらされる可能性が高い。南アでは、前日夜には342 Kの空気が入っていた。よく夏には、345 K以上の空気が入ると降雨の可能性が高まる、と言うがそれと同等の暖湿空気が入っている。
850 hPa(等温線)

状況:等温線の形状は、日本列島付近で大きく波打っている。南アでは15℃、大山では12℃である。
考察:等温線の形状から、前日までに温かく湿った空気が日本列島に流れ込んでいたことが示唆される。
700 hPa(湿潤域)&500 hPa(等温線)

状況:大山も南アも、湿数は12℃以上であり、上空700 hPa以上は乾燥していることがわかる。気温は、南アで-9℃、大山で-10℃。
考察:大山では、700 hPaより上空は乾燥していることから、850 hPa付近の空気の上昇に伴う雲の発達も、700 hPaまでには収まると考えられる。そのため、激しい雨にはならないと考えられる。南アでは、850 hPa-500 hPa間の気温減率は、24 / (5760-1470) = 0.56 ℃/100 m程度である。尚、850 hPaの高度はWindyの予想より取得した。自然対流が発生するレベルではないが、日中の昇温には注意したい。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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