2025/02/09 09:00の予想天気図:北ア・九重

日々の天気図解析

【予想時刻T=0 : 2025/02/07 09:00】

地上(等圧線・前12時間降水量)

状況:ようやく緩んできたが、西高東低の気圧配置が続く。日本の東西の気圧差は70 hPaで、等圧線の間隔は狭い。

考察:東日本を中心に引き続き強い風が吹き、日本海沿岸では山雪型による降雪が続くと考えられる。とはいえ、強い寒気も同時に入っていることから里雪型との複合とも言える。

予想:北アでは暴風雪。九重では風がやや緩み、気温は低いが晴れ~曇りの模様。

500 hPa(等高度線・渦度)

状況:前日までは深いトラフが日本周辺に停滞していた様子であったが、9時の予想では北海道に残るのみで本州以南は等高度線の曲率が小さくなっている。日本全域が正渦度域に覆われる。

考察:冬型は緩みつつあるが、まだ強い寒気は居座っており、完全に脱したとは言えない。オホーツク海から北海道にかけてトラフがあって、このトラフに対応するように500 hPaの気温分布が確認できる(後述)。全域が正渦度域に覆われるが雲の発達に寄与するかどうかは後の項で議論したい。

850 hPa(等相当温位線・風)

状況:日本全域で北西の季節風が卓越する。また、全域が285 K以下の寒冷乾燥空気に覆われている。北アでは20 KT (=10 m/s) の北西風、九重では15 KT (=7.5 m/s) の北北西風である。九重では前日21時には25 KTの風が予想されていた。

考察:北アでは引き続き大陸から一定の風向で風が吹いており、湿った空気が流れ込みやすい環境ができている。九重では前日までは北北西の風が大陸から吹いていたが、9時の予想では地上等圧線の湾曲に合わせるように風向が一定でなくなっている。風が弱まることも相まって、雲の発生は少ないと考えられる。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

状況:上昇流域は東日本の日本海側で確認できる。山雪型のときの典型的な様子である。気温は、北アで-10℃、九重で-9℃。

考察:北アでは日本海からの風を受けて斜面上昇をする雲が次々とやってくるのだろう。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

Screenshot

状況:上昇流域と同様に東日本の日本海側に湿潤域が確認できる。特に、東北地方には-36℃のより強い寒気が入っている。気温は、北アで-28℃、九重で-24℃。

考察:850 hPaと500 hPaの高度差が4000 mと仮定したとき、各地の気温減率は、北アで0.45℃ /100 m、九重で0.38℃ /100 mである。気温減率は小さく、雲が外的要因により上昇してもそれ以上は成長しづらい環境と予想できる。そのため、大気中~上層では雲の発達は乏しいと考えられる。500 hPaで正渦度域に覆われていると述べたが、上記の理由で成長する雲は多くないと言える。尚、東北地方では気温減率が0.6℃ /100 mを超えるエリアがあって、そこでは大気上層まで雲が成長しやすいだろう。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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