【予想時刻T=0: 2024/12/20 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
西高東低の気圧配置で、日本海沿岸の山域は大荒れの模様。南アでは、前日から南西よりの風により雪が降っており、朝のうちは湿った空気が滞留して雲が多い時間が続く。風向が西向きに変わると雪は次第に落ち着くだろう。大雪では等圧線の間隔が広く風が弱い見込みで、曇り~晴れの予想。
500 hPa(等高度線・渦度)
トラフが深く発達し、寒気の流入が示唆される。南アでは、このトラフに対する相対位置によって上空の風向きが変化してきた。前日まではトラフの前面であったため風向は南西よりで、その影響で伊勢湾方面からの湿った空気が流入しやすく、降雪につながったと考えられる。トラフが近づくにつれて風向は西寄りに、そしてトラフが通過すると風は北西よりに変化していく。大雪では上空の低気圧が接近しているため、上層の雲が現れると考えられる。
850 hPa(等相当温位線・風)
全国的に下層大気では北西風が卓越する。日本海南部の等相当温位線の分布(赤線)から、尾根となっているところで雲が発達することが予想できる。風の収束は明瞭ではないが、収束帯を形成しており、周囲よりも空気が湿った状態であることを示していることから雪雲が発生しているだろうと言える。実際、地上天気図でも降水域として予想されている。南アでは西北西の風15 KT (=7.5 m/s) の予想。大雪では、風向が定まらず風速も小さい。前日21時から同様の状態で、大気下層では明確な雲の発生は9時時点で見込めない。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
日本海沿岸に沿って上昇流域が確認できる。特に秋田県沿岸では強い上昇流が予想されている (-91 hPa/時)。南アでは、前日21時の時点では強い上昇流が確認されているが、9時の時点では下降気流に転じている。前日から雪が降り続いていることもあり、下降流に転じたとしても朝の時間帯まで雲が残っているものと考えられる。気温は、南アで-5℃、大雪で-12℃の予想。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
南アでは9時の時点で、下層雲は残る可能性が高いが中層雲は消えていると考えられる。とはいえ、稜線上では風が強く強制上昇によって断続的にガスに覆われているだろう。大雪は、中層までは晴れた状態と考えられる。気温は、南アで-27℃、大雪で-37℃の予想。大雪周辺の850 hPaの高度はWindyより約1300 mで、500 hPaでは5160 mであることから気温減率は約0.65 ℃ /100 mである。不安定な状態であり、少しでも風が強まったり空気を上昇させる外力が加わったりすれば雲の成長につながる状態である。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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