【予想時刻T=0:2024/12/07 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
西高東低の冬型の気圧配置。等圧線が南北に走向し、山雪型である。日本海側の山岳を中心に暴風雪となる予想。日本海中部にはシア(いわゆる、JPCZ:日本海寒帯気団収束帯)が形成され、北陸地方では特に多雪となる予想である。9時の予想では、北アは、北部を中心に暴風雪の予想。北アの山域はJPCZの延長線上にあって、雪雲が次々と流れ込む。石鎚でも風は強い予想。雪は日本海の山域ほどではないが、中国地方西部を越えて四国に流れ込む雲が到達すると考えられる。
500 hPa(等高度線・渦度)
日本列島は寒帯前線ジェットの強風帯にあって、各地で強い風が吹くと考えられる。300 hPa天気図 (高度9000 m前後)によると本州では120 KT (=60 m/s)以上の風の予想で、中部アルプス地帯の稜線では暴風となることも考えられる。トラフが現在日本海北部を通過中であることから、まもなく天候悪化のピークを迎えるものと考えられる。大荒れの目安となる5400 mの等高度線 (赤線)は中部まで南下している。
850 hPa(等相当温位線・風)
285 K以下の寒冷乾燥空気は東北以北を広く覆う。JPCZ (シア:緑線)の付近では、空気の上昇によって水蒸気の凝結に伴う潜熱の放出によって周囲の空気よりも相当温位が高い状態である。また、JPCZの北側では風向が北北西に近く、南側では北西となり、このわずかな風向の違いにより収束が発生し、上昇気流を生んでいる。北アはその延長線上にあって、成長した雪雲が流入するものと考えられる。石鎚では、中国地方に阻まれて雪雲が直接到達しないものの、中国地方西部の標高が低いエリアを雲が乗り越えたり関門海峡を抜けて瀬戸内海に流れ込んだりすることが考えられる (赤矢印)。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
日本海沿岸と中心に上昇流域が確認できる。日本海でできた雲が徐々に成長して沿岸で700 hPaに達し、さらに陸に上がると斜面でさらに持ち上げられるものと想像できる。北陸では-96 hPa/時の上昇流の極大値が確認でき、ここで特に強い上昇流が存在することが分かる。石鎚の付近では雲は700 hPa以下であると考えられる。気温は、北アで-5℃、石鎚で-6℃の予想。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
日本海沿岸では雲が700 hPaより上部に渡って成長して、それが湿潤域として確認できる。気温は、石鎚で-21℃、北アで-30℃。-30℃は、高度5400 mと概ね一致する。大雪となる目安の気温である。北アでは850 hPaと500 hPaの気温差が25℃と大きい。Windyから850 hPaの高度を、500 hPa天気図から500 hPaの高度を取得すると、気温減率は、-5 – (-30) / (5350 – 1410) = 0.63 ℃ / 100 mとなり、不安定である。雷の発生も考えられる。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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