【予想時刻T=0: 2024/10/25 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
台風21号が発生。日本の南の海上を北上している。高気圧が太平洋に抜け、日本海には低気圧が現れる。全国的に下り坂となっている。北アでは南よりの風となるため、9時時点での天気の崩れは小さいと考えられる。大雪では、日本海の低気圧の影響を受け始める。9時の時点では大きな崩れはないと考えられるが、温暖前線に伴う雲が見え始めるだろう。
500 hPa(等高度線・渦度)
寒帯前線ジェットが日本付近で蛇行する。北海道ではリッジが通過し、トラフが接近してくる。天気が下り坂となる典型的な天気図である。日本海の地上低気圧はこのトラフと対応し、低気圧の発達と関連する。北アでは、前日21時は正渦度であったが9時の時点では負渦度(下降流)となり、大気上層は晴れと考えられる。
850 hPa(等相当温位線・風)
北海道の北には相当温位285 K以下の寒冷乾燥空気、日本の南海上の台風20号や21号付近では相当温位345 K以上の温暖湿潤空気が確認できる。大雪の周辺では20-25 KT (=10 -12.5 m/s) の南西風と予想されている。また、相当温位傾度がやや大きく (道央から道北にかけて12-15 Kの変化。次項の850 hPa等温線を見ると、同じ範囲で気温は3℃[K]の変化であるため、残りの9-12 K 分の変化は、空気の湿り具合に対応するものであると言える)、より湿った空気は南西風に乗ってより冷たい空気の上を上昇しやすい状態にあると考えられる。北アでは5 KT (=2.5 m/s) 程度の南風で、太平洋からの湿った空気は届きづらく、雲の発生も少ないと考えられる。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
全国的に上昇流域に覆われると言えるが、目立った上昇流は確認できない。強いて言うと、東シナ海に-66 hPa/H の上昇流が確認できる。地上天気図でこの位置を確認すると、等圧線が北に凸となって、典型的な低気圧発生の前兆と考えられる。気温は、北アで10℃、大雪で2℃。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
大雪の周辺は湿数6-9 ℃と小さく、やや湿っている状態である。850 hPaの相当温位の議論と合わせると、空気の性質の変化が大きいことから、雲は発生しやすい環境になっているだろう。北アでは湿数は24℃程度で大気中層は乾燥している。気温は、北アで-12℃、大雪で-19℃。850 hPaと500 hPaの高度差を4000 mと仮定したときの気温減率は 0.52 – 0.54 ℃ / 100 mで、条件付き不安定と言える。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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