【予想時刻T=0: 2024/08/24 09:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
太平洋高気圧がやや張り出す。その高気圧の北側は一帯が降水域となっている。後述する500 hPa天気図と見ると、なぜ降水域となるかが読み取れる。9時の時点では北アでは特に高層は雲に覆われ、雨がパラパラと降っているだろう。九重でも似たような天気で、雲に覆われすっきりしない。
500 hPa(等高度線・渦度)
太平洋高気圧は東海付近まで張り出す。その北側の日本海沿岸に沿うように亜熱帯ジェットの強風軸が通る。太平洋高気圧の南よりの風とジェットの西よりの風が合流し、上昇する(高気圧帯の縁であるため)ことで日本海沿岸を中心に雲列が形成される。これが地上天気図で確認できる降水帯と一致する。北アでは高層の雲が多く見られるだろう。台風10号は太平洋高気圧の縁を沿って北上している。
850 hPa(等相当温位線・風)
地上の降水帯と重なるように相当温位345 K以上の温暖湿潤域が確認できる。大気下層でも南西からの湿った空気が流れ込んでいると言える。北ア周辺では5 KT程度の南風と予想されている。北アは南北に伸びる山脈であることに加えて太平洋からは遠い山域であるため、大気下層の雲は発生し辛い状況である。このことから山のふもと~中腹の雲は多くなく、稜線から大気高層の雲が主体であると考えられる。九重では5 KTの南西風の予想である。南西方向には比較的標高の高い阿蘇などを望むため湿った空気の流入は多くないと考えられる。こちらでも高層の雲が主体となるか。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
日本列島では目立った上昇流の極大域はない。850 hPaの相当温位分布で見れば温暖湿潤域が重なるエリアでも、9時の段階で対流が活発に起こるところはほとんどないと考えられる。このことからも北アと九重で大気下層の雲が少ない要因の1つと言える。気温は北アで17℃、九重で19℃の予想。
700 hPa(湿潤域)&500 hPa(等温線)
地上の降水域に沿って湿数6℃以下の領域が伸びる。湿数3℃以下の湿潤域と判定されないまでの湿った状態であることは確かである。気温は北アで-4℃、九重で-4℃の予想。Windyで850 hPaの高度を取得(1510 m)し、500 hPa間の気温減率を計算する。北アでは21 / (5880-1510) = 0.48 ℃ /100 m、九重では23 / (5880-1510) = 0.53 ℃ /100 m。北アは安定、九重は条件付き不安定の判定。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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