2024/08/12 09:00の予想天気図:南ア・谷川

日々の天気図解析

【予想時刻T=0: 2024/08/11 09:00】

地上(等圧線・前12時間降水量)

東北地方を台風が東から横断する。この進路を取った理由については500 hPa天気図で後述したい。台風の影響が及ばない西日本は等圧線の間隔が広く(気圧傾度が小さく)概ね晴れる予想。南アでは朝9時は晴れの予想。谷川では北西寄りの風がやや強く吹くと考えられ、雨が降っているだろう。

500 hPa(等高度線・渦度)

本節では台風5号の進路について考察したい。台風5号はここまでほぼ真北に進路を取り、東北地方の太平洋沖で西に進路を変え、現在東北地方を横断中である。この原因は太平洋高気圧の北上と、大陸の高気圧の張り出しにより、台風がジェットまで到達していないことと考えられる。太平洋高気圧の中心は北海道と同程度の緯度まで北上し、北海道まで張り出している。また、大陸から張り出した高気圧も日本海にあって、前日までの天気図を見ると両者は連なった形をなっていた。現在台風5号は両者の間を縫うように太平洋高気圧の東風に流されながら進んでいる。そのため、東から上陸したと考えられる。このあとは高気圧の間を北上し、ジェットに到達すると再び東へ向きを変えて北上しながら消滅する。

850 hPa(等相当温位線・風)

日本海の高気圧の北西-南東で湿潤域と乾燥域で分かれている。南東側は大陸の乾燥した空気を維持するも、北西側は南シナ海の湿った空気を引き込んで湿潤域が北へ広がると考えられる。南アでは台風の遠方にあって、弱い西寄りの風が主体である。風や斜面上昇による雲の成長は考えにくい。雲が少ない状態だっただろう。谷川では15 KT (=7.5 m/s)のやや強い西北西の風が予想されている。台風の影響で雨が降っていたと考えられる。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

日本海は高気圧のため下降流域が広がる。南ア周辺では台風のため上昇流域と確認できるが顕著な値は確認できず、また大気の下層でも強い風の収束や斜面上昇が予想できないことから広い範囲の雲の成長は考えにくい状況。谷川では反対に台風と距離が近づきつつある。南アでは21 ℃、谷川では20 ℃の予想。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

Screenshot

台風はギリギリ0℃の暖気核を持ち、同心円状に近い湿潤域を保持している。谷川はそのエリアに重なるかどうかの位置。南アでは-1 ℃、谷川では0 ℃の予想。Windy より850 hPaの高度を取得し850 – 500 hPaの気温減率を計算すると、南アでは22 / (5850-1440) = 0.50 ℃/100 m、谷川では20 / (5820-1430) = 0.46 ℃ /100 m。気温減率は安定の判定。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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