【予想時刻T=0: 2024/06/08 21:00】
地上(等圧線・前12時間降水量)
九州と日本海に低気圧が進む。九州の低気圧には湿った空気が多く流れ込み、その北側に強い降雨域が形成される。台高ではその低気圧に伴う温暖前線の降雨域が重なる領域にあって、午後になると雨脚が強まると予想される。秩父では降雨の可能性は低いものの上空の雲に覆われてすっきりしない。
500 hPa(等高度線・渦度)
九州の低気圧には亜熱帯ジェットに伴うトラフが、日本海の低気圧には寒帯前線ジェットに伴うトラフが対応する。亜熱帯ジェットのトラフの前面では正渦度(上昇流)の極大値が確認でき、雲が上層でも発生すると予想できる。関東から中部にかけても大きい正渦度の極大域が確認でき、これが理由で上層の雲の発達が予想できる。ちなみに、日本のはるか東の低気圧の閉塞点は、500 hPaの正渦度極大域と対応する。
850 hPa(等相当温位線・風)
九州の低気圧に引かれるように湿った空気が流れ込む。330 Kの等相当温位線に注目すると、東シナ海から日本海南部にかけて湿った空気が流れ込む様子が伺える。台高では15-25 KTの南東風が、秩父では5 KTの南南西風が予想されている。台高では湿った空気がよく入るため雨と予想できる。秩父では南西方向は甲府盆地や富士山、南アがあって、風も弱いことを考えると湿った空気が入りづらく天気の崩れは小さいか。ただし先述した通りに上層の雲が広がる。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
石鎚山の周辺で上昇流の極大域が確認できるがそれ以外で目立った極大域は本土では確認できない。低気圧そのものの上昇流で雨となる範囲は広くなく、台高では斜面上昇に依る部分が大きいと推測できる。気温は、台高で12℃、秩父で10℃の予想。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
九州の低気圧・前線とその北側で湿潤域が広がる。気温は台高で-8℃、秩父で-9℃の予想。Windyで850 hPaの高度を、500 hPa天気図から500 hpaの高度を取得して得られる気温減率は、台高では20 / (5780-1480) = 0.47 ℃ /100 m、秩父では 19 / (5780-1500) =0.44 ℃ /100 mである。自然対流による空気の上昇の可能性は低い。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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