【今日の予想対象山域:北アルプス・南アルプス】
地上(等圧線・前12時間降水量)
日本海を低気圧が、前線を伴って通過する。この影響で、全国的に荒天の予想。北ア、南アともに南西の風が非常に強まる予想で、主稜線でも雨となる可能性がある。また、大陸の奥には1064 hPaの高気圧が控え、アリューシャン列島付近の低気圧は968 hPaと、日本の東西でおよそ100 hPaの気圧差があり、低気圧通過後に強い冬型(山雪型)の気圧配置となることが予想される。
500 hPa(等高度線・渦度)
亜熱帯ジェットは、地上低気圧の寒冷前線と概ね一致する。ジェットの正渦度、負渦度の境界で激しい上昇気流が大気中上層に渡って発生することが伺える。大陸の奥の、地上1064 hPaの高気圧の上空にはトラフが解析でき(大陸の高気圧は背の低い高気圧)、このトラフの進行と共に(寒気を伴うため)冬型が強化される見込み。
850 hPa(等相当温位線・風)
東に抜けた高気圧と、日本海の低気圧の暖域の影響で、日本列島では広く南西風が卓越する。これによって東シナ海から暖湿空気が流れ込む。例えば315 Kの等相当温位線に注目すると、それが中部地方まで到達していることから、暖湿空気の流入が読み取れる。また、風も非常に強く、標高1500 m付近では北アルプスで25 KT (=12.5 m/s)、南アルプスで30 KT (=15 m/s) の風速を予想している。稜線上ではさらに強い風が見込まれる。太平洋から風を直接受ける山域では最大50 KT (=25 m/s) の風を予想している。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
気温は、北アルプス、南アルプスともに6℃と予想している。21時ではともに9℃の予想になっており、日中は主稜線の標高でも雨となると考えられる。寒冷前線は9℃の等温線に対応する。寒冷前線の前面、暖域、温暖前線の周辺はすべて上昇流域として解析でき、広い範囲で雨雲の発達が予想できる。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
気温は、北アルプスで-13℃、南アルプスで-12℃の予想。気温減率は、0.52℃/100 m。どちらの山域でも標高2300 m (気温2℃)付近までは雨の予想。日中になってさらに気温が上がると主稜線でも雨となる。大陸東部から日本列島まで広く湿潤域が解析できる。大陸の奥には-42℃以下の強い寒気が控えており、今後の動向に注意が必要。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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