2023/11/13 09:00の予想天気図:大山・南ア

日々の天気図解析

【今日の予想対象山域:大山(中国地方)・南アルプス】

低気圧が通過していき、西高東低の気圧配置に移り変わっていくため、日本海沿岸の山域を中心に荒れた天気となる。太平洋側の山域でも朝の内は荒れた天気が続くが次第に回復する。日本海沿岸の山域は季節風が強く吹き、雪となる。大山では日中、風雪の荒れた天気となる。夕方以降は高気圧が張り出すため雪は落ち着く。南アでは低気圧が通過したあとも風のシアによって上昇流が発生するため、雪が続く。西高東低の気圧配置になると天候は回復するが風はやや強い状態が続きそう。

地上(等圧線・前12時間降水量)

西高東低の気圧配置である。日本海では北西の季節風が吹き、沿岸山域に雪を降らせる。21時の予想では高気圧が西日本に張り出す。このため、大山での雪は夕方以降次第に落ち着く見込み。南アでは後述する風のシアにより朝頃までは雪が続くが、西高東低の気圧配置に移行するため日中は晴れる見込み。

500 hPa(等高度線・渦度)

日本列島をトラフが通過する。このトラフは21時の予想では通過し、リッジ支配に移行するか?全国的に正渦度域(上昇流域)に覆われ、ところによっては雷を伴う可能性がある。

850 hPa(等相当温位線・風)

平地でも雪となる285 Kの等相当温位線が、南下している。その一部は九州まで到達する。注目すべきは、2箇所の風のシア。日本海から中国、四国に伸びる風のシアは、季節風の風向に違いによりできたものである。実際に、地上の予想降水域はこの風のシアに沿って解析できる。ここでは風が垂直にぶつかって激しい上昇が起こると予想できる。この風のシアに伴う雲域が、日本海からの雲に加えて大山にもかかると考えられる。大山では21時の予想でも北風で、日本海からの水蒸気を含んだ空気が流れ込むと予想できる。ただし、風速は20 KTと弱まる。太平洋上の風のシアは、低気圧の寒冷前線の名残と考えられる。この風のシアが朝の内は南アにもかかる予想で、その場合降水が続く。21時の予想では北西の風となっており、降水の心配はないが、風は15 KTと予想している。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

太平洋へ抜けた低気圧や寒冷前線の沿って負の鉛直p速度の極大域が解析できる。それに加えて、より日本列島よりの海域に風のシアによるものと考えられる。極大域も解析できる。また、中国地方にも風のシアによるものと考えられる極大域がある。西高東低の気圧配置に伴って寒気が南下していて、気温は、大山では-3℃、南アでは-1℃の予想。21時の予想ではさらに下がる予想で、大山では-5℃、南アでは-5℃の予想。

700 hPa(湿潤域)&500 hPa(等温線)

日本海に-30℃以下の寒気が南下する。中国地方~四国地方の温度傾度は大きく、日本海~太平洋の間で15℃の気温差がある。大山では湿潤域が解析でき、雲が大気中層まで成長する予想である。大山では-30℃、南アでは-27℃の予想。大山では850 hPaとの気温差が27℃あり、雷の可能性が高い。21時の予想では、500 hPaでは寒気は退く予想で、大山では-18℃、南アでは-25℃の予想。大山では気温差は13℃に縮まり、安定する。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

予想への意見・反論・質問はぜひこちらから!

タイトルとURLをコピーしました