【今日の予想対象山域:北アルプス・富士山】
低気圧が東に抜けるため、西高東低の気圧配置となる。ただしこの気圧配置も午後には解消されるが、日本海で低気圧が発生する予兆が見られるため、日本海沿岸の山域では夜晴れても、翌12日は再び荒れる可能性がある。北アルプスでは季節風を受けて、広く雪。午後になって風が弱くなり始めると、東側の稜線から晴れてくる。富士山では、下部では曇り、上部で晴れる。ただし、風が強い。
地上(等圧線・前12時間降水量)
西高東低の気圧配置となり、特に北日本では等圧線の間隔が狭い。しかしこれも徐々に解消される。北アでは午前中の内は西風が強く、雪が降るが、風が弱くなり始めると東の稜線から回復していく。富士山では局地的な気圧の谷(後述)が解析でき、それにより下部では雲が多い。上部では晴れても風が強い。日本海中部に等圧線の谷が解析できるが、これは今後の動向に注意。ここで上昇流が発生しており、低気圧に発達する可能性がある。その場合、翌12日にかけて日本海側の山域に影響を及ぼす可能性がある。
500 hPa(等高度線・渦度)
トラフが支配的である。富士山では偏西風を直に受けるため風が強い。
850 hPa(等相当温位線・風)
全国的に北西風が吹き、西高東低の気圧配置を反映している。また、平地でも雪となる、相当温位285 Kの線が北日本を覆い、寒気の南下を示唆する。北アでは、下部では若干風向が変えられて、5 KTの北風の予想であるが、稜線では北西風が強まる予想。富士山の周辺では等相当温位線が北に凸となり、谷を形成している。このため南から湿った空気を受けるため、下部では曇りや霧となる予想。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
等温線が密である。寒冷前線は9℃の等温線に対応する。等温線は南に凸で、寒気が南下していると分かる。平地で雪の目安となる-6℃の等温線は、秋田~岩手まで南下している。北アでは-1℃、富士山では6℃の予想。赤丸は負の鉛直p速度の極大域で、概ね寒冷前線に対応する。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
日本列島に目立った湿潤域は解析できないが、日本海やその沿岸では700 hPa以下で雲の発生が顕著であると考えられる。北海道の北西には-42℃の強い寒気が南下している。寒気の南下は続く予想。気温は、北アでは-19℃、富士山では-16℃の予想。気温減率は、北アでは0.43℃/100m、富士山で0.52℃/100m。北アでは麓から雪と予想できる。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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