2023/10/15 09:00の予想天気図:北ア・八ヶ岳

日々の天気図解析

【今日の予想対象山域:北アルプス・八ヶ岳】

寒冷低気圧と南岸低気圧が通過する。通過後、等圧線の間隔が狭くなり西高東低の気圧配置となるため、各地で西風が強まる。北アルプスでは終日雨ないし雪で、午後になると西風が強まって雨雪も強まる。八ヶ岳でも同様に午前中から雨や雪となり、午後になると強まる。

地上(等圧線・前12時間降水量)

寒冷低気圧と南岸低気圧が通過し、北東にそれぞれ進む。この先、北海道~三陸の東沖で合流し発達する予想となっている。大陸から高気圧が張り出してくることと相まって西高東低の気圧配置となり、各地で西よりの風が強まる見込み。北アルプスでは午前中の内は寒冷低気圧の南東象限に位置し、雨や雪となる。午後になると等圧線の間隔が狭まり、北西の風が強まる。日本海から湿った空気が流入し、雨雪が強まると考えられる。八ヶ岳では午前中は南岸低気圧によって南から湿った空気がもたらされて雨雪が降ると考えられる。ただし、北アルプス同様に午後には西よりの風が強まり、雨雪も強まる。

500 hPa(等高度線・渦度)

日本海上に寒冷低気圧が進む。北アルプスはその南東象限に含まれる。21時の予想ではその中心が青森県付近に到達し、南岸低気圧と合流してその勢力を強めると考えられる。

850 hPa(等相当温位線・風)

日本海中部には低気圧性循環が確認できる。このため北アルプスでは午前中は南よりの風が吹く。寒冷低気圧の上昇流によって雲が発達すると考えられるが、風速は最大15 KT前後と強くないため風雪も限定的か。ただし午後になって寒冷低気圧が東へ通過していくと風向は西よりに変化していき、大陸から風が吹き出し日本海からの水蒸気をもたらす。風速も25 KTと強まり、湿った空気が斜面を登り、雨雪が強まると考えられる。八ヶ岳では南岸低気圧によって南から湿った空気の流入を受ける。相当温位の分布から、330 K以上の、この時季にしてはかなり湿った空気が入り、雨雪をもたらす。また、南岸低気圧の接近に伴い、風が強まる。午後になると北アルプス同様に西風に変わり、こちらも風速は25 KT前後となる。八ヶ岳特有の冬の強風と雨雪がもたらされる。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

南岸低気圧、寒冷低気圧それぞれの中心付近に負の鉛直p速度の極大域が解析される。また、上昇流域は寒冷前線に沿った領域にも解析される。21時の予想では関東東海付近は下降流域として解析されるが、能登半島などの北陸の日本海沿岸では引き続き上昇流域が解析される。気温は、北アルプス、八ヶ岳共に9℃の予想。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

湿潤域は、南岸低気圧の周辺に広く解析できる。寒冷前線の周辺と、850 hPaの相当温位330 K線付近に解析される。ここでは相当温位傾度が大きく、対流があると考えられる。21時の予想では湿潤域がコンマ状になっており、典型的な温帯低気圧の最盛期の特徴を示すと考えられる。温度分布から、寒冷低気圧の中心に確かに-21℃の寒気が解析されていることが分かる。ただしその勢力は弱まっていて、21時の予想では明瞭な寒気中心は解析されない。またその寒気の中心付近では湿潤域が解析されておらず、対流が活発でないと考えられる。これもまた北アルプスで午前中、雨雪が強まらない理由の1つと捉えられる。気温は、北アルプスでは-14℃、八ヶ岳では-12℃と予想される。北アルプスではさらに気温が低下する予想で、午後には850 hPaとの気温差がさらに大きくなるため(24℃程度)雷を伴う可能性あり。気温減率から、北アルプスは標高2600 mより上部、八ヶ岳では2700 mより上部で雪となる予想。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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