2023/10/02 09:00の予想天気図:大雪・大山

日々の天気図解析

【今日の予想対象山域:大雪山系・大山 (中国地方)】

大雪では冬型の気圧配置が続き、強い寒気が南下するため暴風雪に。大山では雲が多い一日になる。午後になると次第に晴れ間が増えてくるか。

地上(等圧線・前12時間降水量)

2つの低気圧は東海上へ抜けていく。しかし大雪を始め北海道では前線が抜けたあとの方が荒れる。西高東低の気圧配置のため西風が強まり、これに相まって上空の寒気が南下するため、暴風雪となる予想。本州以南は広く高気圧に覆われる。しかし、日本海を通過する上空の気圧のトラフによりすっきりは晴れない見込み。

500 hPa(等高度線・渦度)

引き続き亜熱帯ジェットの蛇行に伴うトラフが接近する。大雪はその前面に位置し、強い正渦度(上昇流)が予想される。このため大気上層に渡って雲の発達が見込まれる。21時にかけてトラフは北海道を通過し、日中が最も天気が荒れる。大山はトラフの南側にあって、21時にはトラフの後面側に入りリッジが覆い始めることから、次第に晴れ間が増えてくる見込み。

850 hPa(等相当温位線・風)

東へ抜ける低気圧に伴う寒冷前線、ないし停滞前線が日本の南海上に伸びる。風のシアとして解析されている領域は寒冷前線、等相当温位線の集中帯として解析されているところは停滞前線として振舞う。日本は全域が前線の北側に位置し、本格的に秋の空気に覆われる。大雪では、冬型の気圧配置によって西風が強く、最大で40 KT(=20 m/s)の風が予想されている。後述するように大気下層と上層の気温差が大きく、加えて強風が吹くことで日本海から湿った空気を受けて対流が活発になり、雪をもたらすと予想されている。この傾向は終日続く。大山では北風が吹く。最大で15 KT(=7.5 m/s)と強くはないものの湿った空気が供給されて雲は発生すると考えられる。午後になると上空の気圧のリッジに入るため、雲も取れてくるか。

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

温帯低気圧の通過に伴って、暖気と寒気の交換が行われる。日本列島には寒気が南下をしており、北海道では3-6℃の空気に覆われる。大雪では5℃の予想。標高2000 m付近で降水は、十分に雪として維持できる気温である。21時には4℃の予想。大山では終日9℃の予想。組織的な上昇流域は低気圧とその前線に沿った領域で解析される。負の鉛直p速度の極大値(赤丸)に沿って前線が予想できる。

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

組織的な湿潤域は低気圧とその前線に沿って解析される。上空のトラフに伴う温度のトラフも明瞭に解析され、ちょうど日本列島を通過しているところである。大雪では-21℃の寒気が入り、21時には-24℃の寒気が入る予想。21時には850 hPaと500 hPaの気温差は28℃と非常に大きく、激しい対流が予想される。上空の寒気は雪を降らせるには十分で、大雪山系では暴風雪が見込まれる。大山では終日-10℃の予想で、活発な対流は予想されない。日本海の気圧のトラフも通過することから、大きな崩れはないと考えられる。

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

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