北海道では晴れ。東北南部や上越、北アルプスでは午前中は晴れ間があるが午後になると風向が変わり湿った空気を受けて雨の予想。南アルプスや丹沢、秩父、近畿では終日雨となる。中国や四国、九州の山域は台風13号の西側に入り、北よりの風のため湿った空気が入りづらく、雨も弱い見込み。
地上(等圧線・前12時間降水量)
太平洋高気圧は日本の東海上に後退し、台風13号は日本列島の東の沿岸を沿って進む。大陸から日本海にかけても高気圧が張り出し、日本は高気圧に挟まれる形に。太平洋側では地上も含めて山地でも終日雨予報である。日本海側では地上では降水の予想はされていないが山地では雨が予想される。
500 hPa(等高度線・渦度)
亜熱帯ジェットは北海道を通るが、一部が分離して九州を迂回するようにして吹く。太平洋高気圧は日本の東海上に後退して、台風13号はその縁を通りながら分離した亜熱帯ジェットに乗って北東に向かって進む。日本列島は分離したジェットに伴う気圧のトラフに広く覆われて、正渦度域が支配的。雲が発生すると上空まで成長しやすく、にわか雨のときは雷を伴う可能性がある。
850 hPa(等相当温位線・風)
日本列島は太平洋高気圧と大陸の高気圧に挟まれていることが風の循環から読み取れる。本州の南から東の海上にかけては風のシアが解析でき、これに沿って寒冷前線ないし停滞前線が伸びる。また、日本海沿岸では等相当温位線の集中体が解析され、これは午後にかけても停滞する予想。このため、飯豊や朝日、北アルプス、上越の山域の少なくとも下部では空気の性質が急激に変化するため対流が起こり、霧となると予想できる。午後になると北よりの風は次第に東よりに変化し、このために太平洋側からの湿った空気が流れこみ雨となる予想。関東や南アルプスでは前線の北側に位置するものの朝から東よりの風が吹き、湿った空気を受けて雲が多い一日に。近畿では台風13号の湿った空気を受ける。四国や九州では台風13号の風を受けるものの、風向が北よりのため海からの風は受けず、雨にはつながらない予想。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
上空の気圧のトラフの通過を受けて、日本付近では等温線が南に凸となり、相対的に寒気の流入を受ける。それでも本州では概ね15-18℃の空気に覆われる。日本列島では前線の北側に位置するため広く下降流域が支配的である。そのため、午前中の内は北、中央などのアルプスなどの標高が高いところでは雲海が見えて晴れる時間があると考えられる。この傾向は午後になっても続くが、風向きが東に変化すると次第に雲が増えてくると考えられる。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
700 hPaの湿潤域は寒冷前線ないし停滞前線に沿って解析される。日本列島では乾燥域として解析されるものの、湿数の傾度が大きく、空気の性質が大きく変わることに伴う対流が発生することも考えられる。これも、朝から雲が多い理由の1つと言える。温度分布を見ると、-6~-9℃の空気に覆われる。ジェットの蛇行に伴って寒気が流入した格好である。ただし、北日本や北陸では850 hPaと500 hPaの温度差が大きく(21~24℃)、にわか雨に伴って雷が発生する可能性がある。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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