中国地方、九州地方の山域は日本海に解析される高気圧に覆われて概ね晴れる。北海道や東北地方の山域では太平洋高気圧に僅かに覆われるため晴れる。中部アルプスや関東、上越、近畿地方、四国地方の山域では台風12号から湿った風を受けて曇り~雨となる。
地上(等圧線・前12時間降水量)
太平洋高気圧の張り出しが弱まり、台風12号が接近する。このため、東日本や西日本の太平洋側の山域を中心に天気は下り坂。北海道や東北地方は僅かに高気圧に覆われる(1016 hPaの等圧線)。地上天気図では解析されないが、日本海南部に高気圧が存在し、西日本の太平洋側ではそれによって晴れると予想できる。
500 hPa(等高度線・渦度)
太平洋高気圧の張り出しは弱まる。これは、亜熱帯ジェットの進路によるもの。9/1の予想では日本海上を南から北へ向かう形で通過していたが、北海道の太平洋沖を通過するようになった。これに太平洋高気圧は押し負ける形で勢力が後退している。ただし、日本海を中心に等高度線が尾根を形成しており、これが弱い高気圧を表していると考えられる。東日本を中心に負渦度(下降流)となっており。大気高層までの雨雲の成長は見込めない。ただし午後になると関東では正渦度となり、雲は成長する可能性がある。
850 hPa(等相当温位線・風)
温暖湿潤空気は8月に比べて南下しているが、現在は台風12号により供給されている。午後にかけては345 K以上の領域が西日本~関東に広がる予想で、これにより広い範囲で雨が予想される。関東、上越、中部のアルプス、近畿では東よりの風が卓越しており、東から流入する湿潤空気を受ける。東北地方では南よりの風となっており、東海上からの空気を受けない。西日本は、日本海上にある高気圧の風の循環の中にある。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
太平洋沿岸の地域を中心に上昇流域が解析される。台風12号の風を受けて、沿岸の山の斜面で上昇するものと考えられる。温度分布は、オホーツク海に伸びる前線に向かって暖気が流れ込む形であるが、亜熱帯ジェットの蛇行が小さいためか、寒気流入は明確でない。台風11号は21℃、24℃の暖気核を、台風12号は21℃の暖気核を持つ。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
台風12号は、太平洋高気圧の張り出しが弱まったところに付け込む形で本州に向かっている。このため温度分布も、台風12号により暖気が北に持ち上げられる形となっている。温度のトラフやリッジは明瞭でなはなく、これは亜熱帯ジェットの蛇行が小さいからと考えられる。温度成層は偏っていないため、明確に雷の危険がある地域は現状ない。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
予想への意見・反論・質問はぜひこちらから!