2023/08/25-27 白馬三山2日目

ふみあと

8/25 6:25 猿倉荘 ~ 7:15 白馬尻小屋 ~ 8:10 大雪渓基部 ~ 11:30 頂上宿舎 ~ 11:50 白馬山荘

8/26 (5:00頃の日の出を白馬岳で拝む) 6:00 白馬山荘 ~ 7:25 杓子岳 ~ 8:30 白馬鑓ヶ岳 ~ 11:00 鑓温泉小屋

8/27 6:00 鑓温泉小屋 ~ 8:40 猿倉荘 (3日目は行動時間が短いので投稿はなしにします)

8/26 午前中は晴れ。夕方に雷を伴う激しいにわか雨。

09:00の実況天気図で当日の天気を振り返る。

地上天気図

朝の内は晴れていたが、日本海上や能登半島方面は積乱雲がいたるところで発生していた。高気圧が次第に遠ざかって、時間を追うごとに雲量が増加していった。午後になると斜面を空気が急上昇していき、雷を伴う激しいにわか雨となった。

850 hPa(等高度線・等温線・湿数)

【凡例】赤丸:北アルプス最寄りの「輪島」の高層観測点。紫:等高度線。青:等温線。赤:風の流れ。緑:湿潤域。以下すべてこれに則る。

等高度線や風の流れから、高気圧に覆われていることは確認できるが、その範囲は東に後退している。関東から九州では湿潤域が解析されており、標高2000 m以下では雲が生成されやすい状態であった。実際、5時頃に日の出を見た時は雲海が広がっていた。18℃の等温線の覆う範囲は前日よりも狭くなっている。輪島では気温18.8℃、湿数2.7℃、東南東の風5 KTと観測されている。

700 hPa(等高度線・等温線・湿数)

こちらでも等高度線の分布から太平洋高気圧が前日と比べて後退していることが分かる。午前中の内は、標高の高い北アルプス主稜線では湿数は高く、乾燥していた。実際、朝の内は斜面を登る雲は稜線に辿り着くころには概ね蒸発していた。輪島では気温9.8℃、湿数7.0℃、南南東の風15 KTと観測されている。

500 hPa(等高度線・等温線)

等高度線の分布から、北アルプスは太平洋高気圧の縁にあることが分かる。湿数は前日から大幅に減少している。輪島では気温-5.1℃、湿数11.0℃、南西の風10 KTと観測されている。気温減率は、(18.8-(-5.1)) / 5880-1500 = 0.55℃/100 mである。鉛直方向の風の循環は、東南東→南南東→南西と時計周りに変化しており、このとき、温度風の関係から暖気移流があったと言える。850 hPaにおいて、北アルプスの南には湿潤空気が溜まっており、これが暖気移流に伴って周辺山域にもたらされ、午後になって雨の原因となったと考えられる。また、850 hPaと500 hPaの気温差は23.9℃と、雷が発生しやすいと言われる24℃に迫る値となっており、午後には実際にそれを上回っていたと推測される。これは、上空に冷たい空気が入ったためである(前日は輪島で-2.3℃)。当日は長野県の山岳地帯全域でにわか雨によるものと思われる雲がレーダーによって捉えられていた。

300 hPa(等高度線・等風速線)

亜熱帯ジェットは前日と比べてより日本列島に押し付けるようなルートを通っていた。これにより太平洋高気圧も東へ後退した。北アルプスでは高気圧の縁に入ったこと、暖気移流があって湿潤空気が流入したこと、大気下層と上層の温度差が大きくなったことで午後になって雷を伴うにわか雨となった。

実際の天気の移り変わり

5:10頃。白馬岳から東方面。標高2000 mくらいまでは雲が沸いていて、雲海だった。それより上空はすっきり晴れ。

7:30頃。杓子岳から南アルプス、八ヶ岳方面。この時間はまだ雲が稜線を乗り越えることはなかった。

7:30頃。杓子岳から日本海方面。日本海上では、画面左から右に向かって積乱雲の高さが次第に高くなっていて、おそらく線状降水帯のようになっていると考えられる。まるで積乱雲の生産工場だった。

9:00頃。鑓温泉分岐から天狗山荘方面。この時間になると既に山よりも高い標高に雲が沸き始めてた。鑓ヶ岳登頂の際もガスっていた。既に上空まで湿り始めていたか。

【動画】16:45頃。鑓温泉小屋にて。雲が急上昇している。周囲は急にひんやりし、風が強まりだした。直後に雷を伴う激しいにわか雨。

地上天気図は「気象庁 過去の天気図」より引用

https://www.data.jma.go.jp/yoho/wxchart/quickmonthly.html

高層天気図は「北海道放送 専門天気図」より引用

https://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html

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