2023/07/09 09:00の予想天気図

日々の天気図解析

北海道は弱く高気圧に覆われるため,晴れ間が見える.本州以南の山域では全国的に荒天の予想.特に日本海側の,飯豊朝日,上越,北アルプス,大山といった山域では大雨となり,風も強いと予想される.

地上(等圧線・前12時間降水量)

停滞前線は日本列島に沿って伸びる.東北地方付近で「キンク」(折れ曲がっている)状態で,このとき湿った空気が多く入っている証拠と言われる.前線に近い日本海側の山域では大雨が予想される.北海道は弱い高気圧に覆われるため晴れ間が見られる予想だが,次第に高気圧の後面に入るため雲が増えてくる予想.

500 hPa(等高度線・渦度)

停滞前線は概ね,亜熱帯ジェットの蛇行に沿って伸びる.ジェットのやや南に,前線に伴うものとされる渦度0線が解析できる.この渦度0線とジェットに挟まれて,日本では空気の鉛直方向の対流が起こっている(つまり雲ができやすい).

850 hPa(等相当温位線・風)

日本列島には,高気圧の縁を回って,相当温位345 K以上の温暖湿潤空気が流れ込んでいる様子がよくわかる.一方で,停滞前線に伴う風のシアは明瞭ではない.そのため上昇気流は,風のシアによるものというよりも,大気下層と上層の気温ないし相当温位の差による対流が大きい状態と考えられる.日本海側では最大17.5 KT(=8~9 m/s)の風が予想されている.南西側に開けた稜線では強風に注意したい.

850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)

日本列島は概ね,18℃の空気に覆われる.ただし,関東や東海では21℃の空気に覆われる.

700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)

湿潤域は日本海側に広がる.関東や東海では激しい雨の予想は今のところないが,500 hPaの気温と850 hPaの気温が大きく,雷と伴うことが予想されるため,注意したい.なお,華北では,気温のリッジが気圧のトラフと一致する状況となっている.この場合は暖気が過剰に供給されることが予想されるため,この気圧のトラフの進行と共にさらに温暖湿潤空気が日本付近にもたらされると考えられる.引き続き動向に注視したい.

300 hPa(等高度線・等風速線)

亜熱帯ジェットに伴う華北の低気圧が通過したあとは,気圧のリッジが通過する.このとき,太平洋高気圧との力関係によっては前線がさらに北上して梅雨明けが近づく.

本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。

気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)

予想への意見・反論・質問はぜひこちらから!

タイトルとURLをコピーしました