北海道では晴れ間がのぞくも、夜にかけて再び雲が増える。東北南部や、アルプス、八ヶ岳では午前中は晴れるも、日本海を低気圧が進むため午後急速に天候が悪化し、風が強まる。一晩で急激に雨量が増加する予想。西日本は終日雨風が強い。
地上(等圧線・前12時間降水量)
4日に日本を覆っていた高気圧が抜け、大陸から低気圧が接近する。その影響で、西から雨の範囲は広がる。この低気圧が湿った空気を多く取り込むため雨を多く降らせる見込み。
500 hPa(等高度線・渦度)
9時時点では西日本がリッジに覆われているが、このリッジは次第に消失して大陸のトラフが支配的になる。北海道ではかろうじてリッジが残るが、それ以外では上昇流域が卓越する状態となる。このため日本海を進む低気圧にとっては有利な状況で、雲がより高層まで成長しやすくなっている。
850 hPa(等相当温位線・風)
日本海を進む低気圧に、相当温位345 K以上の温暖湿潤空気が流れ込む。低気圧が既に閉塞を始めていて暖域の領域が狭くなっているためか、風速が大きく、850 hPaで最大で40 KT(=20 m/s)の風が予想されている。特に南に開けた稜線では突風に注意したい。さらに、寒冷前線が通過するまでの時間も短いことが予想されるが、短時間で大量の雨となるため、沢の急激な増水にも注意したい。
850 hPa(等温線)&700 hPa(湿数)
時間の経過とともに日本列島は上昇流域に覆われていく。本州では概ね15-18℃の空気に覆われる。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
低気圧の進行に伴って湿潤域も移動する。500 hPaの天気図と重ねて見ることで大荒れの天気になることが予想できる。9時時点で日本海に分布する温度のリッジは、21時時点でリッジを保つ。しかし、先述した等高度線の分布からは次第に気圧のトラフに取り込まれることを指摘した。このことから、上昇流域に暖気を取り込む形となり、雨雲を生成する方向に発達する。さらに、温度のリッジの前後を挟む温度のトラフとも距離が近く、空気の性質が急激に変化することから風も強まる。後続の温度のトラフは気圧のトラフを追う形となっており、このとき暖気の北上と寒気の南下をサポートする分布であるため、これもまた低気圧に加勢する。さらに、中部のアルプス付近では、850 hPaと500 hPaの温度差が25℃前後となっており、雷を伴うことも考えられる。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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