西から寒冷前線が通過する。西日本では11日夜~12日午前中にかけて、東日本では12日午前中~夜にかけて通過する。該当の時間帯は急激な天候の悪化に注意。東日本の山域では行動を早めに切り上げると安全。
地上(等圧線・前12時間降水量)
日本列島に沿うように寒冷前線が伸びる。降雨域の範囲は狭く、寒冷前線通過時は急激に天候が悪化し、回復も早いと考えられる。
850 hPa(等相当温位線・風)
11日は高気圧により全国的に晴れて気温が上がる地域が多いが、温帯低気圧の通過により再び気温が低下する見込み。相当温位285 K以下の寒冷乾燥空気が前線と共に流れ込む。低気圧の暖域では、太平洋の高気圧の南東風と低気圧の南西風が合流するため、風が強く吹く。南風を強く感じてきたら、寒冷前線が徐々に接近していると認識すると良い。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
低気圧の中心付近と、閉塞点に上昇流の極大域が解析できる。その二点と、6℃の等温線を参考に前線を描いた。日本列島は850 hPaで0℃以上の空気に覆われるため、標高1500 m付近においても、全国の山域で雨となる見込み。ただし、夜にかけて前線が通過したのちに晴れて放射冷却などで冷え込むと凍結する可能性がある。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
前線に伴う湿潤域の幅は狭く、降雨の時間は長くないと見込まれる。また、沿海州を進む寒気の中心は-33℃と前日よりも上昇傾向にあり、前回の強い低気圧のときよりは勢力は弱い。また、ここまで描いたように低気圧自身も既に閉塞して衰退期に入っているため、前回ほど激しくならないと言える。
300 hPa(等高度線・等風速線)
※300 hPa天気図の予想時刻は04/11 21:00であることに留意。
今回の低気圧は華北のトラフに対応する。寒帯前線ジェットの蛇行の間隔が短いために、ジェットの軸が前線を横切り、先述してきたように閉塞している。このあとも細かい蛇行が続き、周期的な天気の移り変わりが予想される。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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