南岸低気圧、日本海低気圧共に大きな発達をせずに通過していく見込み。
太平洋側でも降水はほとんどなさそう。
地上(等圧線・前12時間降水量)
21:00までの12時間で太平洋側で降水がある地域はほとんどない。また、低気圧の勢力としても強くはなく、明瞭な前線も解析できなかった。
850 hPa(等相当温位線・風)
東経143°の低気圧に対してはかろうじて前線が解析できた。相当温位が低気圧に向かって北に凸になっていることが理由。しかし、明瞭な風のシアがあるわけではなく、温帯前線に至っては雰囲気になってしまった。今回は、日本海にも低気圧が進んだことで、
・寒冷乾燥空気(青塗り:相当温位285 K以下)がが北に押し上げられた。
・雨雲が分散した。
ことでそれぞれが大きく発達せず、結果的に降水に至らなかったと考えている。
850 hPa(等温線)&700 hPa(鉛直p速度)
ここでも前線解析は苦しい。証拠不足で引かなかった。尚、700 hPa低気圧中心は負の鉛直p速度の極大点とした。
700 hPa(湿数)&500 hPa(等温線)
こちらは東経143°の低気圧に対しては前線の証拠が見えた。緑線で示したように、ここが湿数が急激に変化するところにあたり、湿数の低い領域(6℃や9℃)が広がるように分布することから、空気の性質が急激に変化するところ(=前線)と言えるのではないか。
300 hPa(等高度線・等風速線)
寒冷前線ジェットが大陸~日本海にかけて細かく蛇行している。それぞれの蛇行に小さなトラフを解析する。今回の低気圧群は、ジェットの蛇行が大きくなく、トラフが深くならなかったため、大きな発達がなく通過していったと考えられる(=南北の温冷交換が活発にならなかった)。
本投稿は気象庁「数値予報天気図」を加工して作成しています。
気象庁 Japan Meteorological Agency (jma.go.jp)
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